伝えたい言葉2 (ページ8)

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『何カレーがいいかな？』

家への帰り道に2人でスーパーに寄る。

大「んー。チキンカレーかな」

こうやって2人でスーパーに来て買い物をしてると新婚みたいだ。

カートを押している大輝の横顔を見る。

さっきまでぼーっとしてたのに今は鼻歌なんて歌ってすごくご機嫌。

『なんかいいことあったの？』

大「なんで？」

私の顔を見て不思議そうな顔をしている。

『さっきまでぼーっとしてたのに今すごく機嫌良いじゃない。鼻歌歌ってたよ』

そう言うと私の大好きな笑顔を見せて

大「なんか新婚みたいだなあと思って。なかなかゆっくりスーパーで一緒に買い物とか出来なかったから」

同じことを思ってたと思うと嬉しくてつい顔が綻ぶ。

『私も今大輝とおんなじこと考えてた』

大「嬉しいな。同じタイミングで同じこと考えてるって」

また鼻歌を歌い始める。

レジをして家までの道のりを歩く。

まだ17時、陽が傾いていて夕日が綺麗だ。

右手に買い物の荷物を持って左手は私の手を握っている。

大「A」

『ん？』

大輝の顔を見上げると降ってくる大輝からのキス。

『最近大輝は場所を考えずにキスしてくるね』

大「したくなったんだもん、しょうがないよね」

夕陽に照らされるその顔が少し寂しそうで。

『私は大輝だけだよ』

不安なのかな、最近色んなことがあったから。

大「俺もだよ」

大「早く帰ろ、お腹空いた」

無邪気に笑う顔、初めて会った時を思い出す。

『初めまして、本日から担当させていただきます、杉原Aです。よろしくお願い致します』

大「Da-iCEのリーダーの工藤大輝です。これからよろしくね」

あの日緊張していた私に最初に笑顔で自己紹介してくれたのが大輝だった。

リーダーだから最初に自己紹介するのは当たり前かもしれないけど。

それから一緒に仕事をして1年くらい経った頃。

大「Aちゃんのことが好きです。付き合って下さい」

相談があると言われて食事に行った時に告白をしてくれた。

『私忘れられない人がいるんです、なので工藤さんの告白にはお返事出来ません』

これからの関係もあるから丁寧に断ったけど

大「それでもいい。少しずつその人より俺のこと好きになってもらえるように努力する。だから付き合って下さい」

なんて圧に負けて付き合い始めたけど大輝といると楽しくて次第に大輝のことが好きになっていた。

それは今も変わらない。

大輝はあの頃と変わらない、なのにどうして不安になってるんだろう？