伝えたい言葉2 (ページ30)

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ちょうど東京タワーが正面に見えるベンチに座る。

大「いやあ、一緒に来れてよかった」

ベンチに座ってる間も手を繋いでいる。

『うん、すごく綺麗だったね』

『でもファンの子達に見られちゃったよ、大丈夫なの？』

気がかりだったことを言うと真剣な顔で私の顔を見る。

怒らせちゃったかと思って言葉を発しようとすると

大「A」

鞄をガサゴソしている。

そこから出されたものは小さな箱だ。

大「Aのことが最初と変わらず大切で最初よりも大好きです。」

私の目を真っ直ぐに見つめてくれて目が潤んできてしまう。

大輝「俺と結婚してください」

大輝の手にある小さな箱にはダイヤの輝く綺麗な指輪が収まっている。

『私でいいの？』

そんな言葉しか言えなくて告げると笑顔で私を見つめて

大「Aがいいんだ」

答えは1つ、何も迷いがない。

『よろしくお願いします』

大「よっしゃああああ！」

大きな声を上げて私を抱きしめる。

大「俺の人生かけて幸せにする」

そんな甘い言葉を告げてキスをした。

近くの個室の居酒屋でご飯を食べて大輝と手を繋いで歩く。

大「新曲なんだけどね」

大輝が口を開く。

『雲を抜けた青空？』

大「うん。あれね、Aのこと考えて書いたの。恥ずかしいけど」

前ラジオか何かで題材にした人に歌作ったなんて伝えないと言ってたのに。

歌詞を思い出すとついにやけてしまう。

『我が強くて負けず嫌い？』

大「間違ってないでしょ？」

なんて笑ってる。

『間違ってないけど』

大「二人もっとそばに感じられる特別な約束をしよう、これがプロポーズの言葉よ」

『なんか恥ずかしい。みんなこの曲いいねって言ってたし』

大「みんな知ってるよ。この曲がAへの歌であることも今日俺がプロポーズしようとしてることも」

『そうなの？なんか恥ずかしい』

明日みんなに会うのがすごく緊張する。

大「だから今日ファンの子に遭遇しても手放さなかったの。今日言うって決めてたから」

照れてる大輝が可愛くてついにやけてしまう。

大「早く帰ろう。夜は冷えるから」

そう言ってタクシーを停めてくれる。