伝えたい言葉2 (ページ15)

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toru side

とりあえず約束を取り付けて待ち合わせした居酒屋に行く。

想「徹くん」

目の前に座ってる想太が不安そうな顔をしてる。

徹「どうした？」

想「今日大輝くんにこそっと聞いたんやけどな」

聞きたくない内容なのを察するが先を促す。

想「大輝くんAに別れたいって言われたんやって」

想太が泣きそうな顔をしている。

想「絶対おかしいと思うねん。Aが大輝くんのこと振るなんて考えられへん。なんかあるんやと思う」

徹「そうだな」

Aが大輝と別れるなんて言い出すとは思えない、つい最近まで普通に仲良かった。

大輝はいつもAとのこと惚気てたし。

徹「で？大輝はなんて言ってた？」

想「もしかしたら秀太さんの方に気持ち傾いたかなって。別れたくないけどどうしたらいいかわからないって言ってた」

徹「そうか、わかった」

秀太さんの存在、確かに幼馴染の2人、そしてAも秀太さんを好きだったみたいだし、秀太さんは今でもAが好きなようだ。

だからって2年もそばにいた大輝と別れるなんて言い出すだろうか。

それから2人でちまちま飲んでたら(想太はジュースだけど)Aが来た。

久々に会ったAは大輝同様に窶れていて疲れた顔をしていた。

『お疲れ様です』

そう言って個室に入ってきたAに

想「あーーー！やっときたああああ！会いたかったー！」

想太は隣に座ったAに抱きついている。

想太もさっきまでのどんよりした顔を隠していつもどおりにしている。

実際久々に会えて嬉しいんだろう、想太はAに姉ちゃんみたいに懐いてるから。

なんとなくAの仕事の話から入って一通り落ち着いたところで本題に入る。

徹「大輝となんかあった？」

『え？』

あからさまに動揺した顔、一瞬目が泳いだのを見逃さなかった。

それは想太も同様に見ていた。

徹「大輝がここ最近様子おかしいんだけど。なんかあったでしょ？」

『何もないよ』

下手くそな作り笑顔でごまかそうとしている。

徹「ごまかすな」

想「そうやで。何年2人といると思ってんねん」

俺の言葉と想太の言葉が効いたのか大きな瞳から大粒の涙を流し始めた。

『大輝と別れろって言われたの』