story59 ページ11
今日は西島さんのソロだけだ。
なんとか打ち合わせを終わらせて今日の仕事を終える。
ピコン
大「お疲れ様。何時頃終わる？待ってる」
昼間のあの言葉が頭に流れる。
大輝にもしものことがあったとき私は責任取れるのか。
秀太にも他のメンバーにも何かあったら…
仕事中も頭の片隅にはそのことが残っていた。
急いで帰り支度をして会社を出て自宅への電車に乗る。
『お疲れ様。ごめんね大輝。別れてください』
そうLINEを送って電車の中で静かに泣いた。
最寄駅に着くまでの30分間で数え切れないほど電話がかかってきていた。
大「何言ってるの？今どこにいるの？」
大「A？」
大「まだ会社にいる？」
大「まさか別れるなんて本気じゃないよね？」
大「電話に出て、話がしたい」
大「心配だから返事して」
沢山来るラインも未読無視をした。
その日は家に帰ってから何もする気力がなくひたすら泣いた。
気がついたら眠っていて仕事に行く時間になっていた。
朝起きたら引くほど目が腫れている。
『どうしよう』
時間ギリギリまで目を冷やしてメイクをする。
少しマシになっただけで全然腫れている。
とりあえずメガネをする。
そのメガネは大輝とお揃いのメガネだ。
少し躊躇ったがメガネはこれしか持っていない、とりあえず付けて会社に行く。
案の定会社に着くとみんなからの冷たい目線。
そしていつものように茶色い封筒。
その中には昨日の私の写真。
もうそんなこともどうでもよくなってきた。
今日はグループの仕事。
会議室に向かって歩いていると急に後ろから腕を引っ張られる。
驚いて後ろを見ると
そこには息を切らした大輝が立っていた。
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作者名：あかね | 作成日時：2019年11月17日 22時
