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「好きです」

その一言に、ジョンハンさんの表情がまだ寂しそうなのは
きっと私が曇った表情をしているから。




jh「嬉しいよ、素直に。ありがとう。

でもAちゃんの事だから、それで終わりじゃないでしょ?」



『…よく分かりましたね』



jh「分かるよ。いいよ、思ってること正直に話して」





ここまできたら、気を遣うのも変な話だ。


私の思ってる事を正直に全部話した。




『…とにかく、そういう事なんです。

ミンギュの練習生時代を少ししか見てなくても、どれだけの苦労の上に今があるのかは私でも分かります。


だから、私のためにそれを無駄にしてほしくないんです。

好きだからこそ。』




jh「Aちゃんが思ってくれてることは全部伝わった。

…でもさ、お互い好きだけどやっぱりやめときましょうって出来る?こうやってお互い好きなこと口に出してるのに?」



『それは……頑張ります』



jh「俺は絶対無理。

俺だけ見てて欲しいし、俺だけを好きでいてほしいもん」



『ジョンハンさんって…ストレートですね』




こんな事言いそうにない人に言われると、余計恥ずかしい。




jh「当たり前じゃん、本気で好きなんだから。


…だから、そうやって心配してくれるのはありがたいけど
仕事に関しては俺の問題だから、俺がどうにかする。


その不安も無くせるように努力するから、俺を選んでほしい」




こんなに真剣な眼差しで、こんなに正面から向き合ってくれる人っているのかな。


あれだけ色々考えたことも、一旦いいのかなって思えちゃうくらい。


好きな人からのこの言葉に、ごめんなさいは言えないよ。




jh「俺と付き合ってください」




ある程度歳を重ねて大人になって、こんなに真面目に始まる恋愛って無いと思ってた。


でも、それだけお互いが真剣に考えてるんだよね。




『…こちらこそ、お願いします』



jh「…ほんと?」





ジョンハンさんの顔が、初めて明るくなった。



いつかもし、この選択を後悔する日が来たとしても
それはそれで良しとしようってやっと思えた。




目の前にいるジョンハンさんが、こんなに幸せそうな顔で笑ってくれてる今があるんだもん。

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作者名:naah | 作成日時:2023年6月2日 9時

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