ひとつの幸運。 (ページ39)

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-ジョンハンside-

元々気持ちは伝えるつもりでドライブに誘ったけど

いざ言おうと思うと心臓がバクバクし始めて、何もかっこいい言葉なんて言えなかった。

しかも、返事はあとにしてくれなんて…かっこ悪いよね。

全部自分でも分かってるけど、そうしてでも俺に振り向いて欲しかった。

こんな貪欲になるくらい好きになるのなんて、多分初めて。

jh「帰ろっか」

考え込んだような顔をしてる彼女に、少し申し訳ない気持ちにもなる。

『ジョンハンさん』

jh「ん？」

『私の気持ちどうこうより…やっぱりダメだと思います』

jh「何が？」

『ジョンハンさんの周りにはもっと素敵な女性がたくさんいるだろうし…

私なんかより、相応しい人は他にいるというか…世間は認めないと思います』

jh「それは俺の仕事上の話？」

『…はい』

jh「…俺はAちゃんが好きなんだけど。

俺が芸能人だから誰を好きになっちゃいけないとかある？」

Aちゃんの立場になれば言いたいことは理解できる。

でも、俺たちだって普通の人間なんだよ。

人を好きになるし、それに理由なんてない。

でも多分これって、お互い理解し難い問題でもあるから。

jh「…そういうのは置いといて、一人の人間として見て欲しいな」

悲しいけど、俺が言えるのはここまでしかない。

あとはAちゃんの考え方次第だし、それをどうこう言うのは違うのも分かってるから。

jh「あんまり重く捉えすぎなくていいから。

俺も何も変わらないし、Aちゃんもいつも通りいてね」

『そうですね…でも、ありがとうございます』

jh「ありがとうございます？」

『あ…その、気持ちが…ありがたいってことです』

こんな時まで律儀なAちゃんが可愛くて、笑えてくる。

『なんで笑うんですか〜』

jh「可愛いなあと思って」

やめてください…って頬を赤らめてる姿すらも、全部。

俺、このままじゃ振られたらダメージすごいかも。