ひとつの幸運。 (ページ16)

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-ジョンハンside-

Aちゃんが部屋を出て、一気に脱力する。

まじで何言ってんの…俺。

自分の気持ちも分かってないのに、あんなこと口走って。

困った表情を浮かべたAちゃんの顔が頭から離れない。

出会ってそんなに時間が経っているわけではないけど、

自分の中で存在が大きくなっていることはなんとなく感じてた。

ミンギュの前で見せる姿とは程遠いけど、しっかりしてるように見えて意外とドジなところとか、

俺たちが帰ると「おかえりなさい」って迎えてくれたり
日常の挨拶を欠かさないところとか。

たまたまリビングで一緒になって
お風呂上がりのすっぴんを初めて見た時に恥ずかしそうに笑った姿とか。

日常の些細なことがこんなにも記憶に残っていて、なんとなく彼女を気にしてる自分に気付いてはいたはずなのに。

その気持ちに名前をつけるとこの平和な生活を続けられない気がして、ミンギュの大事な人だから。とか、妹を気にかけているのと同じことだって自分に言い聞かせては深く考えないようにしていた。

なのに、シュアとの話を聞いて勝手に余裕無くして
あんな嫉妬じみた発言をするって…ほんとダサくて自分でも呆れる。