ひとつの幸運。 (ページ12)

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あれから少しお話して、それぞれ自由になった。

なんだか少し疲れちゃって、部屋で横になっていると気づけばもう夜。

なんか…お酒飲みたい。現実逃避したい。

そうは思うけど、わざわざ出歩くのも面倒くさくて。

…そうだ、屋上行ってみよう。

慣れないマンション内に戸惑いながら、屋上のカードキーを当ててみると扉が開いた。

人工芝の上にはテーブルとイス、そして簡易ベッドのようなものも置かれていて雨に濡れないように屋根のようなものまで取り付けられている。

それにしても綺麗に保たれてるな…誰も使わないにしては。

そんなのことを思いながらボーッと空を見上げていると、扉が開く音がした。

慌てて立ち上がると、

「お…ここに入れてるってことは、ミンギュの…そうだよね？」

ニッコリと笑いながら近付いてくる人は、

『ジョシュアさん…』

js「初めまして！ミンギュから話は聞いてるよ」

『初めまして。Aです。

すみません…ここ誰も使ってないって聞いて来てみたんですけど…私、出ますね！』

js「え〜、そんな寂しいこと言わないでちょっとお話しようよ。

お酒飲める？」

そんなこと言われて断れる訳もなく、大人しく席に着いた。

どうやらジョンハンさんとスングァンさんが使っていないだけで、ジョシュアさんはよくここで1人飲みをするそう。

「ここの景色好きなんだけど、誰も来ないから一緒に飲める人ができて嬉しい」

って微笑むジョシュアさんは、まるで天使だ。

穏やかで、話す言葉一つ一つが優しくて、
人を惹き込む魅力に溢れているジョシュアさんにお酒のせいもあってかすっかり打ち解けてしまった。

『ジョシュアさんは…』

js「ふははっ、ねえその呼び方距離感ありすぎる！

オッパって呼んでいいから」

『オッパ……私、初めてです。オッパって呼べる人』

js「うわあ〜じゃあ俺が初だ？嬉しいね」

何を話しても、どんな些細なことでもずっとニコニコ笑ってくれるオッパ。

こんなに人の心を温かくできるなんて、この人…天才だ。