ひとつの幸運。 (ページ1)

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運のない人生。

私の今も今までも、この一言に尽きると思う。

日常の細かいことなんていくらでもあるけど、

大きな出来事の始まりは高校生の頃。

両親が海外赴任中、交通事故で亡くなった。

どうしても残りたいと懇願した私は一人この国に残り、
幼なじみ一家の助けもありながら一人暮らしをしていた時の出来事。

いわゆる駆け落ちというもので結婚した両親は、周りに頼れる身内が居なくても一生懸命たくさんの愛情を持って育ててくれた。

だから私は親戚がいなくとも、特に困ることはなく暮らしていたけど…

あの日一瞬で、本当に一人ぼっちになったのだ。

周りから可哀想な子と見られることも当たり前で、いつしか私は周りに本音を言えなくなっていた。

そんな中、昔と何も変わらずにずっとそばに居てくれたのが
同級生で幼なじみのミンギュとその家族。

キム家にはどれだけ救われたかなんて、言葉では言い表せない。

それでもミンギュにはミンギュの人生がもちろんあって、
練習生として本当に忙しそうな日々を送っていた。

私もいつまでも人の力を借りるのは嫌で、

なんとなく環境を変えてみたくて、

少し興味のあった日本に住んでみることにした。

高校を卒業して会える日も少なくなったミンギュには

「しばらく韓国を離れるけど、心配しないで！」

とだけ連絡を入れて。

全てを置いてこの国を出た。