彼は只者じゃない壱 [ハイキュー][文スト]

行方不明 ページ25

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『もしもし、伊世崎です。敦君、どうかし＿＿＿』









「“A君助けて！！”」









声が大きすぎて思わず携帯を耳元から離す。









『……どったの、敦君。』









声色からして殺人事件があったって訳では無いんだろうけど……。









「“うぅ、実は与謝野女医(せんせい)に頼まれて太宰さんと買い物してたんだけど……。”」









『太宰さんが消えた。』









「“そう！そうなんだよ！”」









敦君が答える前に僕が言うと予想通りの答えが返ってきた。太宰さん(あの人)、ホントなにしてんだよ……。









「“30分以上探しても見つからなくて……A君なら分かるかなって思って……。”」









『乱歩さんに頼めば直ぐ分かるんじゃ？』









「“出来たてのお菓子食べてるから無理！って言われて……。”」









『あぁ……。』









流石乱歩さんだよ……。









「た、たたたたたた、大変ですぅぅぅぅぅぅうううう！！！！」









谷地さんが食堂の扉を叫びながら開けた。なんかめっちゃ焦ってるけど……。









「どした一？やっちゃん。そんなに焦って。」









スガ君が谷地さんを宥めながら何があったかを聞く。









「し、清水先輩が！！包帯を全身に巻いた不審者さんに！！殺されそうになってますぅぅぅぅ！！」









……………。









「なんだって！？どういう事だやっちゃん！」









「じ、実は玄関に不審者さんがずっと立ってたんで声掛けたらっ、心.中しようって言い出して……。」









「なんだとおおおお！？潔子さん！！俺が命をかけてお守りしますぅぅうううう！！」









「行くぞ！！龍！！」









清水さんの精鋭隊である(勝手に僕がそう思ってる)田中君と西谷君が疲れてる事を忘れて玄関に向かって走って行った。









「俺達も行くぞ！」









二人に続いて他の皆も走り出す。









『………敦君、ごめん。また後でかけ直す。』









「“え！？Aく＿＿”」









僕は敦君の呼び止める声を無視して電話を切り、走り出した。

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