異能少女、学校通うってよ3【文スト】【歌い手】

115話 ページ40

NOside



とある廃墟に少女と男がいる。



但し少女は椅子に座らされて縄で身体中ぐるぐる巻きにされている。



男は少女を鉄パイプで殴ったり手で殴ったり足で蹴ったりとひたすら暴力を振るっている。男の表情は楽しそうだ。少女の表情は……泣いている訳でもなく怒っている訳でもない。ただ“生きている”だけ。この世に興味が無いかの様な、そんな表情だ。少女の目は＿＿闇のように真っ暗だ。



純也 「ﾁｯもっと痛がってくれるかと思ったのに全然痛がらねえじゃねえか。つまんねえ」



それはそうだ。だって少女は痛覚異常。痛みを感じる筈が無い。そんな事も知らずに男は少女を殴り続ける。



純也 「便利な身体だなぁ。異能力、だっけか。この力のお陰でどんだけ殴っても傷が付かない。ストレス発散に持ってこいの物だな」



この男は少女を“人間”としてではなく“物”としか見ていない。



純也 「まぁ結構殴ったし、そろそろ良いか。今度こそお前を売る。そして俺は大金持ちだ！！」



そんな事を叫んで少女に括りつけられた縄を解き外に停めてある車に向かおうとした。……が。



ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン！！！



男と少女がいる部屋の扉が突如凄い勢いでぶっ飛ばされた。



純也 「な、誰だ！！」



？ 「誰でも良いだろ。手前には関係ねぇ。Aを返して貰うぞ」



扉をぶっ飛ばした犯人は、帽子を被った小柄な男だった。

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