続 人形 -ド一ル-【ハイキュー】

86体 ページ42

黒尾side









Aの言葉に水翔クンが分かりやすく肩を震わせる。









『……水翔。言いたい事山ほどあるんだろうけど……少しだけ時間を頂戴。……取りに行きたいものがあるから。』









水「………すぐ戻ってくるんだろうな？まさか逃げるなんて事……。」









『あるわけないでしょう。』









水「はぁ……良いよ。でももし戻ってこなかったら……分かってるよね？」









『もちろん。……じゃあ５分以内には戻ってくるから。……それと他の人達には手を出さないでね。』









そう言ってAは校舎の方に足を向けてしまった。









………え。この状況、辛くね？









５分も待ってられる自信ないんだけど。









水「………ほんっと、あんた達さえいなければ姉さんがあんな風にならずに済んだのに……。」









いや、なんで俺達のせいにされなきゃならんのよ……理不尽すぎんだろ……。









赤「………君ってさ、Aの事嫌いなの？」









水「当たり前じゃないですか。あんな形とは言えど、両親に愛されてる姉さんの事、好きになるわけがない。俺は見向きもされないのに。」









………Aの家族ってめんどくせぇのな。よく分からんが、水翔クンはどんな形でも愛されてるAの事が嫌いなのか。









………ふ一ん。成程ねぇ。









黒「それって唯の嫉妬じゃん。ダサいな。」









俺が思った感想を言うと、今度は水翔クンが俺に向かって殴ろうとしてきた。









だけど動きが単調すぎて、躱すことが出来た。









水「うるさい……うるさい……！！お前に何が分かるんだ！！どんなに努力しても両親は認めてくれない！！これがどれほど辛いか……お前みたいな脳内お花畑は分かんないだろ！！」









黒「いや俺脳内お花畑じゃないし。それと、お前の家族事情なんて知ったこっちゃないけどAを酷い目に合わす理由にはならないだろ。」









水「……っ、黙れええええええ！！」









研「クロ！」









……うわ、やっべ。さっきより動きが良くなってる。今回は避けれねぇかも……。









．









『水翔。』

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