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「そやけど、あのりょーちゃんが結婚なぁ」
大倉は今度は俺の腰のあたりを動かしながらやっぱりしみじみと言い、俺はなにを言うたらいいんかわからず目を閉じた。その辺りに触れられるのは好きじゃない。亮の結婚のことも、その手の先の人工関節も。
「女の子と付き合うのも無理やと思うてたのに」
ガチャンと崩れる音がして腰が軽くなる。
「また今日もえらいわがままほーだいやし」
言うて、外した人工関節を目線の高さでがしゃがしゃ振った。
使いすぎてバカになったそれが奇妙にぐらぐら揺れている。壊れた関節は軟体動物のよう。
「奥さんこのこと知ってんの？」
放られた言葉にまた目を閉じる。そんなんには気づかんと、大倉はまた俺の身体を弄った。優しい手つき。するすると、俺の皮膚の上を滑る。目を閉じると、感覚が鋭敏になる気がした。
「知らん。言うた方がええのん」
「やー、それは好き好きや思うけど…そやけどさぁ、言わな浮かばれんやん。優しいりょーちゃんの裏にはこんな影の立役者やおってんでーって」
________
国内外に幾つかホテルを持つ小さくはないグループ。亮は、そこの社長の三男坊や。
社長としては男の子は後継ぎ一人でもいりゃあよくて、続けてなんかあった時の補欠になる次男も生まれ、ほなもうあとは女の子待ちやなーってなっとったとこに生まれた三男坊。補欠の補欠。まーた男や、と社長は不謹慎にも食傷気味にいい、からりと笑った。
俺はそんな亮を任された、あいつ付きの執事や。
俺と亮が出会ったのは亮が3歳の時。亮の面倒を見るために新しく雇われた俺もあの時はまだ新品やった。やから付き合いは…亮が今年で33歳やから、もう、30年になるんか。まだギリ俺のが年上っぽい見た目しとるけど、もう2、3年もしたら亮の方がおじさんになるんやろな。
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ぐりむ(プロフ) - ↓全くコメントに気がつかなくて一年以上経ってしまいました。すみません。一応お返事しておくと、めちゃくちゃダメです。重ね重ねすみません。 (2020年1月4日 1時) (
レス) id: 212d40df9c (このIDを非表示/違反報告)
岩辺亮香 - 作品、アレンジしてもいいですか？よければ私が作ったイベントに参加してください！ (2018年12月27日 7時) (レス) id: d0c4305158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐりむ | 作成日時：2017年5月14日 9時
