最終話 ページ3
・
それは唐突に。
「ねえ、A。僕達、付き合うべきだと思わない？」
『…え？』
・・・・・・
今日、私は保険委員として復帰した。
怪我から二週間経って、そろそろいいだろうと、新野先生からも乱太郎からも了承を得て、今日ついに復活した。
本当は明日の朝からの予定だったんだけど、昼間保健室で寝すぎて全然寝れない…というわけで、今日の夜から復帰になりました。
そして張り切ってたくさん薬草を擦って、そろそろ休憩しようかと思っていた時。
スパンと勢いよく襖を開いて、兵太夫がやってきた。
『あ、兵太夫。急いでどうしたの？どこ怪我したの？』
私の問を無視して兵太夫はずんずん進んできた。
『え、ちょっ』
そして私の目の前座ってこう言ったのだ。
「ねえ、A。僕たち、付き合うべきだと思わない？」
と。
『…え？』
…という訳なのである。
え？？
『えーと、それは…』
「付き合うべきだと思わない？」
兵太夫はまた繰り返した。
『え、え、え？』
「あ、付き合うってわかる？恋仲になるってことだよ」
『あ、うん…』
「僕は付き合うべきだと思うんだよ」
『あぁ…そうなんだ…』
何それひとごとー、と言う兵太夫。
だって今の話で、「そうなんだ」以外言うことある？
え、ちょっと待って。
私まだわかんないぞ。
『えーと、いきなりだね』
「そうかな？」
『うん。え、付き合うって…』
「だから、恋仲になるってことだよ」
『うん…え？でもそれって、お互い好きじゃないと…
…え？』
「あ、そういえば忘れてた。僕、Aのこと好きだよ」
『…え？』
「あぁ、ずっと前から。この過程すっ飛ばしてたね」
忘れてた忘れてた、と笑う兵太夫。
『…ほんと？』
「うん。ほんとに忘れてた」
『いやそっちじゃなくて』
「好きかどうかって話？ほんとだよ」
『…なんか、ついでみたいにすごいサラッと告白された…』
嬉しいよ。嬉しいんだけど！！
『感動がない…』
「えー？？告白に感動とかいる？」
『いやだって…』
「しょうがないなぁ」
そう言うと、兵太夫は立ち上がって、私の目を見た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜々香 - 隊長さん» 返信遅くなってすみません。ありがとうございます！！頑張ります😆 (1月23日 13時) (
レス) id: 789305b470 (このIDを非表示/違反報告)
隊長 - めっちゃ好きです、、、！応援してます！ (1月19日 23時) (レス) @page9 id: 3292c399a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菜々香 | 作成日時：2022年10月5日 20時
