新情報 ページ34
<新しい情報だよ>
休憩時間に一平に会いに行った。
<ここの殿様、城はどうでも良さそうだ>
<どういうこと?>
<殿様が大事なのは、城じゃない。戦だ>
<あっそういうこと>
<そう。さっきAがいっていた通り、ここの殿様は、城内でも評判は悪い。なぜなら、給料も払わないし、働くひとの扱いが雑だから。
それは───────>
<戦をするための資金を確保するため。だね?>
<そう。それでもこの城に人がたくさんいるのは、殿様の見てくれか愛想がいい、とかなんだろうね>
予想以上にひどいお城だ…
<僕はまだ汚れてる洗濯物が残ってるから、このこと、Aが伝七たちに伝えておいてくれる?>
<了解!>
・・・・・
「なるほどな…そういうことだったのか…」
事情を話しに伝七のもとへ向かった。
『どうりでみんな話しかけても上の空なわけだよ。みんな辞めたいんだ』
「Aの配属先も?」
『うん。どこもかしこも』
殿様は、どうして私利私欲のためにこんなことするんだろ。
見た目がいいから、愛想がいいから許されると思ってるのかな?
思わず眉を潜めた。
そんな私に気づいた伝七が、私の眉毛と眉毛の間を伸ばした。
「そんな怖い顔するなって。
…必要な情報がすべて集まった。
今夜実行しよう」
伝七が口元に弧を描く。
『了解』
私も自然と口角が上がる。
巻物が取られることで、少しでも楽になる人がいますように。
祈りながら天井裏を降りた。
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菜々香 - ほのかさん» コメントありがとうございますー!これからも頑張ります! (2022年10月2日 18時) (レス) id: 83caede52f (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - このお話すごく面白くて大好きです💕これからも投稿頑張って下さい!! (2022年9月30日 19時) (レス) @page33 id: 3929e44e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:菜々香 | 作成日時:2022年8月10日 11時