安堵と恥じらい ページ16
お化粧の解説が終わった後。
『笹山、ありがとう！実習、上手くいきそう！』
私はあることに気がついた。
…何でかな。
ずっと不安で一杯だったのに。
笹山と居るだけで、実習がなんとかなりそうな気がしてきた。
…笹山には癒し効果があるのでは！？
帰ったらい組のみんなに聞いてみよう。
「僕こそ楽しかったよ。じゃあ…」
と言うと、笹山は濡れた手拭いを私の顔に近づけた。
『…え？』
「今すぐ落とすよ」
『え！？』
「僕が落とすったら落とすの」
そう言うと、笹山はほんとに手拭いで顔をこすりだした。
『待って待って。私伝七に見せてこないと』
笹山に訴えるも、
「いいからいいから」
で済まされた。
「僕の化粧は伝七も認めてる。だから大丈夫。……………………はい、綺麗になったよ」
遂には完全に化粧を落とされた。
「そもそもね、君の可愛い顔は僕だけが見てればいいんだよってことで…
ちょっと失礼」
そう言うと、笹山が私の背中と膝の裏に手を回して立った。
『さささ笹山！？』
「うるさいうるさい」
『何でいきなりお、お、お姫様だっこするんですか！！』
「暴れると落ちるよ」
『いっそのこと落として！！』
そう言うと、すぐ近くにあるきれいな顔が横目でジトーッと私を見る。
「うるさいなぁ…君ほんとに忍者のたまご？
こんなことで悲鳴あげてどうするの？」
『だって恥ずかしいだもん！！』
笹山は何で平気なんだよっ！！
私は顔から火が出そうなくらい恥ずかしいのに！
「ハァー…そんなに嫌がられると傷つくなぁ」
『う゛っ』
それは…確かにそうだ…
こんなに悲鳴をあげられると誰だって傷つくよね…
『笹山ごめんね』
「うん。分かればいいよ。じゃあ、首に腕回してくれる？」
『…え゛』
「腕、回して」
『聞き返したわけじゃないよっ！！』
「…そんなに嫌がられると…」
『う゛っ』
やめて！そんな耳下げた犬みたいな顔で私を見ないで！
「僕のこと、嫌い？」
『…嫌い…じゃない』
「じゃあ、腕回して？」
うぅ…笹山は私が何に弱いか分かってるんだ…
ゆっくりと手を首に回すと、笹山は楽しそうに笑った。
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菜々香 - ほのかさん» コメントありがとうございますー！これからも頑張ります！ (2022年10月2日 18時) (
レス) id: 83caede52f (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - このお話すごく面白くて大好きです💕これからも投稿頑張って下さい！！ (2022年9月30日 19時) (レス) @page33 id: 3929e44e96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菜々香 | 作成日時：2022年8月10日 11時
