華やぐ刻 (ページ13)

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俺はほとんど話さなかったけど、
出会ったばかりの二人なのに、
二人で盛り上がってる相葉くんと智くん。

相葉さんも、智くんにはそんな気持ちがないとわかってからは、
にのが可愛いと言われても、ほめられるのが嬉しくて仕方ないって感じ。

人が幸せそうなのって、
なんかいいな。

ほろ酔い気分で帰路について、
いつもの癖で見上げてみれば、

自分の部屋に灯りがついていた。

「…ただいまー」
「おかえり」

いつもとかわらない。
…でもない？

「楽しかった？」
「うん」
「結構飲んだの？」
「や、そうでもない」
「飲みたくて行ったのに？」
「あー…そうね。」

ソファでリラックスしてる体勢からの、
なんか質問攻め。

「やっぱ今日なんか機嫌悪かったよね？」
…色んなことにこだわる男だとは思ってたけど、
こういうつきつめちゃうこだわりは、
正直よろしくないよね。

うーん…
気づくってことは
気にしてくれてるってことだから。

ソファの下のラグに座る。
背中に潤の視線。

「機嫌悪かったというか、ですね」
「うん」
「…今まで見たことないシーンに出くわした衝撃というか…衝撃、まではいかないけどなんていうか」
「え？今日俺何も変わったことしてないよね？」
人に対して優しいという意味では、
変わりない。
ただ「異性に対して」を俺が見てなかっただけ。
でも言いたくない。
これはなんというか、ぷらいどの問題。

…ふわっと潤のかおりが近くなって、
肩に潤の重みを感じた。

「わかんない。何かした？なんでこっち向いてくれないの」

体も後ろからハグされる。

「正直、俺はちょっと今日寂しかった」

肩の辺りから声がする。

「なんで」
「翔さん、俺に構ってくれなかった」
「いや一緒に居たじゃん」
「ちょっと食べたら相葉くんたちの方行くし、
寄っていって貝焼いててもあんま話してくれなかった」
「…そんなふうでしたか」
「うん」

ふと、体に回ってる腕をみれば、ちょっと赤くなっていた。
アパレルで、自分の価値も分かっている人だから、日焼けには気を付けてるはずなのに。

「焼けちゃった」

「…え？」

「いや、焼けちゃったなって」

「…翔さん俺凄くうれしいっ！」

え？は？

「彼女たちは単なるお客候補だよ妬かないでいいよ翔さんっ」

…ん？
日本語難しいですねー。
でも、どうやらこれ、あんだけプライドどうとか言ってたわりに、するっといっちゃった感じになってるね。
…首はやめて！弱いから！！