伍代君とアオハル【3】

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…


『暗っ…』


「…」


布団を深く被る剛


『ほら、スマホ鳴ってるよ』


「…」


剛はスマホを手に取る


手招きする剛


剛が寝ているベッドに近づくA


剛はスマホをAに手渡す


『読んでいいの?』


剛は小さく頷く


Aはベッド横に座り


島崎、山田、村内、守田、牧野


そして藤田からのメッセージを読むA


『会いたいよ、難破君…だって』


「…うん」


下を向き静かに涙を流す剛


立ち上がり無言で部屋を出て行くA


Aはスマホを弄る


『藤田さんに相談してみるか…』


…


「藤田さん 話があるの…」


「難破さん!!
私いい事思い付いたの! 聞いてくれる?」


『え…?』


…


剛の退学処分を撤回させる為


体育館に立て篭もる案を考えた藤田


止めようとする先生達


だが牧野達後輩も加わり屈しない生徒達


大丸が現れ生徒達を盛り上げる


『こっちは大丈夫そうだね…
皆…頼んだよ…』


Aは白百合を通り過ぎた


…


難破家に訪れる伍代


「(い〜えだ! たっだいま〜 久しぶりだな)」


伍代は松を庭に戻してあげる


「悪いな伍代
アイツ出てこねぇわ」


母ちゃんが伍代に言う


「そうですか」


「あっ 伍代
そうだ そうだ そうだ!
八街の落花生があんだよ
松とさ双子が世話になった礼だよ
ほい うめえぞ」


落花生を伍代に渡す母ちゃん


「あの…猛さんは?」


「猛の野朗 無職のくせに
何処ほっつき歩いてんだ あ」


父ちゃんが言うと猛が帰ってくる


「あ? チッ んだよ」


伍代を見ると猛は舌打ちし2階に上がってしまった


「おい! ったくもう…双子が戻ってきたかと思ったらさ
今度は猛があれだよ」


父ちゃんと母ちゃんは呆れている


「まだ怒ってるんですか?」


「猛には猛の通すべき筋がな」


父ちゃんが言う


「あの…アイツ…難破は…難破はいい奴です
アイツ家族に嘘ついてた事ずっと悩んでました
この前は酷い事も言っちまったって…
Aも…そんな難破をずっと庇ってただけなんです
二人共悪気があった訳じゃなくて…
すみません 俺がどうこう言うこっちゃないっすね…
じゃあ俺帰ります
松をお返しするの遅くなってすみません
Aの事もいくら難破が一緒だからって何日もすみませんでした」


頭を下げる伍代


「持ってけ 持ってけ」


落花生を再度勧める母ちゃん

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