伍代君とアオハル【3】

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…


「…双子 唯一無二の
性別も違うし似てねーけど…
もう一人の自分みてーな…
俺…途中で怖くなっちまって…けどAが背中叩いてくれたから家族に言えたんだ…出てけって言われて…辛くて…つい腕掴んじまった…ごめん…」


『うん…うちも同じだよ
剛…今までよく耐えたね…
よし、剛が追い出されたなら一緒に出てく』


「A…」


『剛…大丈夫だよ
うちらにはあのお方がついてるでしょ…?』


剛の頭を撫でるA


「…?」


首を傾げる剛


Aはポケットからスマホを取り出し何処かへ電話する


『直樹? うん…剛が家出てけって言われたの
半裸だしなんとかして』


「わーったよ 今から迎え行く
離れたくねーんだろ…
しばらく二人共うち(家)来ていいから」


『神様 仏様 直樹様…!』


「ヤメロって じゃあ後でな」


電話を切るA


『直樹が迎えに来てくれるって
うちは自分のバイクで行くから気にしないで』


「悪いな…」


「ワン!(俺も連れてけ!)」


『松…』


…


一週間後


伍代家にて


ダイニングテーブルの椅子にボーっと座る剛


【母ちゃんが洗濯してたよ! 吟子】


剛の横には段ボール箱に入った特攻服が


吟子からのメモも入っていた


ソファーに座る大丸、伍代、A


「あの野朗 いつまで落ちてるつもりだ?」


大丸が言う


「うち(家)来てからずっとあの調子だ」


伍代が答える


「マジかよ
高校最後の夏休みだぜ?」


『あれはマジで修羅場だったからなぁ…
しばらくはあんな感じかも』


「まぁしばらくは母親も仕事で居ねーし
好きにさせとくわ Aも気にせず寛いでっていいから」


『ごめんね直樹 押しかけちゃって』


「気にすんな」


「ったくよー おい 難破!
今日はいいもん持ってきたぜ!」


立ち上がり松を抱き抱えながら剛を呼ぶ大丸


「(あの…めんどくさいんですけど…)」


どうやら松の写生大会が始まったようだ


それぞれスケッチブックに松の絵を描き始める


「ハハッ オメェ幼稚園児かよ
どうやったらそうなんだよ」


大丸の絵を見ながら笑う伍代


「普通に書いたらこうなったんだよ」


「見ろ 松ヘコんでるぞ」


「(バカゴリラ…)」


下を向く松


「おい松、ごめんな松…ごめんよ
難破…オメェやっぱうめぇよ」


剛の絵を見る大丸


「まぁ松とは小学生の頃から一緒だしな」

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