伍代君とアオハル【3】

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…


「福岡のガキはエグいな」


伍代が呟く


「福岡じゃないよ」


否定する水野


「え?」


大丸が反応する


「私とお兄ちゃんが引っ越したのは広島だよ
ソイツは広島一ヤバい男なんだ」


『広島…(剛の修学旅行先じゃん)』


…


どうやらAは家族に修学旅行なんてシャバくて無理


途中合流すると嘘をついたようだ


セーラー服姿で支度するA


…


広島に着いた大丸、水野、伍代、A


「ホントに来ちまったな」


伍代が呟く


「おう」


反応する大丸


『けどこれで家留守に出来るからよかった』


「ちょうどよかったな」


Aを見ながら言う伍代


「大ちゃん…私ここまでしてもらうのは…」


水野が大丸に話し掛ける


「気にすんな
俺と伍代は暇なんだって
姉ちゃんは家の都合もあるしな」


『そうなの! 逆に助かったよ』


「ホントに?」


「広島は初めてだしよ
観光気分だよ」


『(大丸カッコつけてるね)』


「(きっといいところ見せたいんだろーな)」


小声で話すAと伍代


…


広島に出発する前


いつの間にか円卓席に集まる四人


「心配すんな
俺が広島行ってそのガキに話つけてやるよ」


水野に提案する大丸


「何言ってるの 大ちゃん」


分かりやす過ぎて思わず目を見合わせニヤける伍代とA


「問題は幸男君だな…
その安藤って奴の舎弟みてえになってんだろ?
幸男君を離さないと まずはそっからだろ」


ふと伍代を見る大丸


「伍代、お金貸してちょうだい! お金!」


伍代に向かって両手でお金のポーズをし手を差し出す大丸


「オメェ 俺をATMだと勘違いしてんだろ!」


伍代はその手を叩く


『ふざけんなゴリラテメェ‼︎
直樹をなんだと思ってやがる!』


「そんなそんな
滅相もございません!
あの 必ずや 必ずや出世払い致しますので…」


土下座する大丸


「私の使って 私も行く」


水野が言う


「いや、水野お前はいいよ」


「面倒な事に向き合おうとしようとしなかった私にも責任があると思う 駄目なお兄ちゃんだけどたった一人のお兄ちゃんだしね」


「おう」

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