伍代君とアオハル【3】

9-3 ページ27

…


「ごだ〜い
珍しく熱いじゃねーか」


大丸が伍代を茶化す


「最近のコイツ見てるとイライラすんだよ」


剛を見る伍代


『剛…うちも吟ちゃんも最初は戸惑った
けど剛の気持ちちゃんと理解したよ?
うちらは味方だから ねっ』


「ありがとな うん
なんか軽くなったわ」


頷く剛


「じゃ、今日は前祝いだ
俺が奢る…」


伍代が言い終わる前に


「替え玉3つ‼︎」


「餃子も2つ‼︎」


勝手に注文する大丸と剛


「早えーな‼︎」


『遠慮なし…』


…


終業式後


愛車(バイク)のエンジンを入れる伍代


そこに猛が近づく


「おい、伍代」


「なんスか今日は
アイツ(剛)ならもう帰ったけど」


「オメェが市松のアタマなんだよな
オメェそんなガラじゃねぇだろ
Aの為にアタマんなったのか」


「…」


「オメェがアタマっつう事は剛は市松の何なんだ?」


「何の話?」


とぼける伍代


「つうかそもそも剛は市松の生徒か?
ああ? 伍代!」


「さっきから何言ってんすか
突然来て訳分かんねぇ事」


エンジンを切る猛


伍代の肩を組む


「オメェ 俺の目ぇ見ろ
本当の事言え 嘘はいらねぇ」


伍代を見る猛


『ねぇ、直樹に何してるの⁉︎』


そこにAが現れる


「分かったよ
今のオメェのツラで全部分かった」


伍代から離れる猛


「A…」


「おい、テメェはこっち来い」


『…は?』


「いいから着いて来いや‼︎」


妹(特にA)大好き猛がAをテメェなんて呼ぶ事はそうそう無い


だが声を荒げる猛


伍代と目が合うと申し訳なさそうに視線を逸らされる


『…分かった』


猛に着いていくA


…


「今日こそ絶対に言う
この面倒くせぇ着替えもこれで最後だ」


特服に着替えた剛がトイレから出てくる


歩き出す剛


すると前から猛とAが現れた


「兄ちゃん…A…」


「おう」


『…』


…


ひとけのない場所に双子を呼び出した猛


「兄ちゃん…なんでこんなとこ…」


『…』


「此処んとこどうだ 市松は…」


『市松は…』


「テメェに聞いてねぇんだよ…剛、答えろ」


Aが代わりに答えようとするが猛に睨まれる


『チッ…』


「いや…どうって…
別に変わった事はねぇけど…」


「俺頭悪いからよく分かんなくてよ
市松でアタマ張って全国狙ってるはずのオメェの部屋から白百合のこんな紙が出てきて…」


紙を剛に見せそれを落とす猛


「美大がどうとか書いてあんだ
教えてくれよ 剛」

9-4→←9-2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す