伍代君とアオハル

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…


「俺さ、ヤンキー向いてねぇんだよ」


剛が呟く


「ブフッ、ゴホゴホ はぁ?」


思わず咽せる伍代


『そうなるよね』


Aが伍代の背中を摩る


「フツーに勉強したりさ 部活したりしたかったんだけどうちヤンキー一家だしさ」


Aは伍代の背中から手を離す


『…』


「…」


一瞬Aを見る伍代


「ほら、兄ちゃんもあんなんだろ」


『剛 あんなんって言い方はダメ 確かにニートだけどさ
うちらにお菓子とか色々くれるじゃん』


「…そうだよな ごめん
(なんか根本からズレてね?)」


それを聞いた伍代は


「ハハッ」


「なんだよ」


「難破、それ本気で言ってんのか?」


「まぁな」


「アニキは菓子くれるんだな」


Aにも話し掛ける伍代


『うん パチ屋でよく当ててくるの』


「へぇ…」


すると徐にAと伍代を観察し始める剛


少し離れてみたり しゃがみ込んだりしている


『何?』


「?」


「お前ら絵になるよなー
伍代はいつもシュッとしてるしよ」


「はぁ?」


『そうなの! シュッとしてるの‼︎』


剛も分かってきたかと嬉しそうなA


「…」


「1つ頼みがあんだけどよ」


…


「じゃ、先帰るわ
邪魔して悪かったな」


剛が去って行った


『はぁ…なんか剛が図々しくてごめんね』


Aが溜息をつきながら呟く


「全部知ってて協力してるんだな」


『気持ち分かるんだよね…
顔は似てないけど一応双子だし
だから応援したい…かな』


「…」


『うちも隠れて勉強とかさ
バイトしたりしてるから人の事言えないし』


そう呟くと苦笑いするA


「…」


『そう言えばうちが剛の名前教えた事…』


「言ってねぇ 安心しろ」


『助かります…(イケメンかよ)』


「さっきのアイツの頼み…聞いてやる」


『…ありがとう!』

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