【暗殺教室】隣の席の赤羽くん【赤羽業】 (ページ32)

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赤羽くんの彼女ページ32

「あ、ねー！恋バナしようよ！」

体育後、更衣室でのんびりと制服に着替えていると、中村さんが大きな声で話を振ってきた。

みんなに急だなーとか何か言われているけれど、ごめん、私もそう思う。

「恋バナかあ……恋と言ったら、Aちゃんかな？」

「えっ！？」

矢田さんがニコニコ笑いながら、私の顔を覗きこむ。

中村さんもニコニコ……いや、ニヤニヤしながら私の顔を覗きこむ。

「私も聞きたいな～Aちゃんとカルマくんの話！」

「く、倉橋さんまで……！」

他の女子達もキラキラした目で食いついてくる。みんな恋バナ大好きだなあ……。

カルマくんとはどうなのーなんて、よく分からない。

特別変わったところなんて……カルマくんが私のことを呼び捨てで呼ぶようになったことかな？

「ね、もうしたの？セ……ッ」

「中村こら」

速水さんに怒られる中村さん。最後の方はよく聞こえなかったけれど、中村さんが怒られている内容からして、少しその……そういう内容だということは分かる。

そんなことを考えていると、矢田さんと倉橋さんが私の目をじっと見つめてきた。

「ね、キスはもうした？」

きゃっきゃっと笑いながら、キスをしたかどうかを聞かれる。

キスって……ああいうキスだよね？

「し、してないよ！」

「ええええ！？カルマくんならしてると思った～！」

みんながワイワイ騒ぐもんだからなんだか恥ずかしくなって、この話題を無理やり終わらせた。

カルマくんと顔合わせづらいなあ……。

●○●○

「A、ぼーっとしてるけど、大丈夫？」

「わ、だ、大丈夫！」

ただ今日の恋バナのことを思い出してただけです。

カルマくんとキスなんて、想像できないって！唇と唇をあわせるなんて！

「……あのさA」

「ん、なに？」

「キスしてもいい？」

動きが止まる、時間が止まる。でも頬は熱くなっていく。

「えっとさ、今日男子達とそういう話になってさ」

「う、うん」

「キスもまだなのかって言われてさ」

「うん……」

「だから……いい？」

カルマくんの顔が近づいてきて、私も覚悟を決める。目は瞑った方がいいよね。

瞑った瞬間に、生暖かい感触。ああ、キスしたんだ。

「……どうだった？」

「く、くすぐったい感じ」

そう言うとカルマくんは薄く笑って、私の手を取った。

キスはくすぐったくて、でも幸せで。

またしたいなあ、と思いながら、カルマくんと肩を並べて歩いた。