【暗殺教室】隣の席の赤羽くん【赤羽業】 (ページ24)

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赤羽くんの隣ページ24

がたり、と机が揺れて、ぼうっとしていた赤羽くんがハッとした。

私の言葉にびっくりして放心していたのか、瞬きを数回繰り返す赤羽君。

「赤羽くん。」

「な、なに？」

「帰ろうか。」

少しだけ、ほんの少しだけだけれど、赤くなっている赤羽くんの耳は見ないふり。

日誌を職員室に置いて、二人で肩を並べて帰る。

いつもより口数が少ない赤羽くんは、なんだか変な感じがするなあ。

さっき確信した、この気持ち。

赤羽くんへの、好意。

確信してドキドキする、とかの気持ちは無くて、私の心はすっきりしている。

何というか、心につっかかっていた重みが取れたようで。

「あれ、どうしたの、難しい顔して。」

「・・・あのさ。」

「うん？」

赤羽くんは、真っ茶色な土を眺めたり、夕暮れの空を眺めたりと、顔を上下に動かしている。

なかなか要件を言わない赤羽くんに、私から言葉を発した。

「照れちゃったのは、本当だよ。」

「・・・うん、そっか。」

「で、赤羽くん、どうしたの？」

「・・・本当なんだよね？」

顔を俯かせて、口を小さく開いて私へと聞く赤羽くんは、まるで恋する乙女だ。

綺麗な赤い髪の色と、綺麗な夕暮れが、とても画になっていて。

赤羽くんの言葉を待ちながら、そんなことを思っていた。

「Aちゃん。」

「な、に・・・？」

「あは、なにその顔。間抜け。」

さっきの乙女のような赤羽くんは、何処へ。

顔をニヤニヤさせている。人をからかうときの喋り方。あれ、あれ。

名前で呼ばれて固まる私の頭を、ふわりと自分の手で掴んで、ぽつりと言った。

「ね、期待しちゃっていいでしょ？」

ああ、駄目だ、これは。ニヤニヤ笑いじゃなくて、へにゃっと笑った嬉しそうな笑顔なんだもん。

落ちつかない心臓と、止まらない動揺と、愛しい愛しい、隣の席の彼。

「・・・い、いいでしょって・・・。」

「まあ、期待させてもらうけどね。」

「あ、赤羽くん、あの、名前・・・。」

「ん？俺、小鳥遊さんのこと、名前で呼びたいから。駄目？」

「ううん、いいよ。カルマくん。」

そう言うとカルマくんは、じゃあ行こうか、と笑った。

うるさいカラスは一羽もいなくて、本当に二人だけの校舎の周り。

長ーい影が、二つ。私と赤羽くんの影が並んでいる。

「カルマくん、コンビニ行こうよ。」

「ん、いいよ。」

カルマくんが頬を緩めていたのは気づくはずもなかった、確信した夕暮れの綺麗な日。