【暗殺教室】隣の席の赤羽くん【赤羽業】 (ページ22)

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赤羽くんが、ページ22

最後の授業が終わって、部活のないE組の生徒は、早々に帰る。

だけど私と赤羽くんは、まだやることがあるから帰れない。

最後の生徒が帰って、教室は私達2人だけとなった。

普段は、発砲音や、騒ぎ声でうるさいのに、今はシーンと静まり返っている。

聞こえるのは赤羽くんの声と、あとは空を飛ぶカラスの声だけ。

「びっしり書くねー。」

「えー普通じゃない？みんなそれくらいだし。私、字が小さいから」

「そっか・・・って、ちょっと小鳥遊さん。」

「ん？なに？」

「俺らの名前、書いてないじゃん。」

日誌の端にある、担当者の名前を書く欄は、どちらの名前も書かれていなかった。

あ、いけない、すっかり忘れてた・・・こういうの気づかないんだよね。

小さいとよく言われる字で、珍しくココアという普通の飲み物を飲む、彼の名前を書きはじめる。

あ、か、ば、ね。

「・・・かるま。」

ぽつり、と呟いた名前に、自分から言ったくせに顔が熱くなった。

赤羽くんはどうだろう、と顔を見れば、赤い髪の毛弄りながら俯いていて。

「・・・うん、じゃ、シャーペン貸して」

「あ、う、うん。」

赤羽くんに、私の愛用の黒猫シャーペンを渡した。

リアルな黒猫が描かれているので、まるで私達のことを見られているような感じになる。

小鳥遊、とやっぱり綺麗な字で私の苗字を書いてくれる赤羽くん。

すると、赤羽くんの薄く開いた唇が揺れるように動いた。

「A。」

「・・・は、へ。」

昨日の赤羽くんみたいな、呆けた声。

カラスがたまに出す、ひょえ、みたいな変な声。

ああ、心がぐるぐるする、ああ、頭がぼうっとする。

私が名前で呼んだとき、赤羽くんはこんな気持ちだったのだろうか。

「・・・小鳥遊さん？」

「えっ、うわっ、私ぼーっとしてた？ごめん。」

「あっれー照れちゃった？」

その言葉を聞いた瞬間、頭を鈍器、なんて堅いものじゃなくて、羊毛みたいな柔らかいもので叩かれたような気がした。

ずるい、ずるいよ、ずるい。

照れてるか、なんてことを言うなんて、ずるい。

自分の気持ちが整理できなくて、分からないまま、揺れていた心は、ゆっくりと止まっていく教室のカーテンのように、確信した。

「うん、私、少し、じゃなくて、とっても」

赤羽くんの綺麗な瞳が、少し開かれて。

私の小さく開けていた唇も、少し開かれた。

「照れちゃってる」

私は、隣の席の赤羽くんのことが、