【暗殺教室】隣の席の赤羽くん【赤羽業】 (ページ13)

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赤羽くんの隣ページ13

ギシギシと古い廊下が鳴る。

あーもう皆帰ってるじゃん。

教室の重いドアを開けるとそこには赤羽くんがいた。

「あ。」

「あ。」

誰もいないと思っていた教室に人がいたのに驚いて呆けた声を出してしまった。

「調子大丈夫？」

「あ、うん。ありがとうね。赤羽くんは帰んないの？」

そう言いながら赤羽くんの隣・・・所謂自分の席に座る。

私の席は窓に近い方なので、椅子と机が熱くなっている。

すっかり夏だ。

「俺、小鳥遊さん待ってたんだよね」

赤羽くんが言ったその何気ない一言。

その一言で何故か机と同じくらい自分の顔が熱くなった気がした。

「えっと・・・」

「起きた時誰もいなかったら不安でしょ？」

「・・・そだね、ありがと。」

赤羽くんは優しい。とても。

人のことをちゃんと見ててくれている。

・・・でも、いつもその何気ない一言で私を変にさせるのはやめてほしい。

「あー帰ろうかな。」

「もうちょっと休んでいったら？顔赤いよ。」

「あ、じゃあそうしようかな。」

私がそう言うと、赤羽くんは机の中からイヤホンを取りだした。

「聴く？」

「え、いいの？」

音楽は好きなので、聴かせてもらえるのは嬉しい。

赤羽くんってどんな曲聴くんだろう。

「小鳥遊さんはどんな曲聴くの？」

「えーと、シンセが目立つ元気な曲とか。」

「へー女子ってラブソング聴いてそうなのに。」

「矢田さんみたいな女子はよく聴いてるよ。」

昔はラブソング聴いてたんだけど、なんかシンセにハマって聴かなくなっちゃった。

シンセ使ってるラブソングもあるけどやっぱ元気な方が好きだ。

そう思っていると、隣から細い赤羽くんの腕が伸びてきた。

「え？」

「聴かないの？」

赤羽くんの手に握られているのはイヤホンの片方。

・・・片方？

「俺も聴きたいし。これじゃ駄目？」

「いやってワケじゃないけど・・・。」

恥ずかしい、です。はい。

でもそんなこと言えるわけないし・・・。

イヤホンの片方を自分の耳に入れて、聴きやすいように赤羽くんに少し近づく。

うわ、どうしよう、何か変な気持ちだ。

変な気持ちのまま、音楽が流れる。

「・・・これ英語？」

「うん。」

「な、何て言ってんの？」

「さあねぇ。」

よくわからない。

よくわからないけど、ラブソングだということが何気なくわかる。

「いい曲だね。」

「でしょ。」

久しぶりに、ラブソングを聴いてみたくなった。