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待たせたら悪いと思い軽く身だしなみを整えてからとりあえず財布と携帯をポケットに入れて玄関からでる






『お、来た』






「すみません、待ちました?」





『んーん、へーき』




もう呼んでい?と聞いてくるとエレベーターのボタンを押した。





静かに開くエレベーター




『はい、どーぞ』




エレベーターの扉を片手で押えて先に乗せてくれる




てか、初対面の人といきなりこんな個室で二人きりって…





少しドキドキする胸を押さえる





「あっ、そういえば私今日引っ越してきたんです

これからよろしくお願いします」






『なんかあったらいつでも来ていいかんね

てか、名前聞いてもい?』




「完全に言い忘れてました… Aです」




『Aちゃんね、下の名前は?』




「Aです、えっと、そちらは?」




『あぁ俺!俺、深澤って言います』




「深澤さん…下の名前は?」




『んー、当てて?』




「いきなり当てるなんて無理ですよ!」




そんな会話をしていると1階に着いた。




『いーじゃん、当ててよ!』




「えー、じゃあ、しんご、とか?」




『ブー、全然違いまーす』




「多分一生当たりませんよこれ、ヒントくださいよ」





『ヒントねぇ、んー、まあいずれ分かる!』





「どういうことですかそれ!」





『まあまあ、いつか分かる日が来るって』





「じゃあ、いつか当ててみせます」





『おー、頑張れ頑張れ』





外の風が心地いい。





深澤さんは、『俺たちもまだまだだなー』と遠くを見て呟いた。





「?どういうことですか」




『ん?なーんでもない、もっと頑張んなきゃなあって』




「仕事とかですか?」




『仕事だねえ、これでも頑張ってんのよ?』




「なんのお仕事されてるんですか?」




『それもいずれ分かるよ、多分今のAちゃんにはわかんないと思うから』




「余計に気になります、それよりその呼び方何なんですか?」





『あ、Aちゃんって呼び方?嫌?じゃあAちゃんって呼ぶわ!』





「いや、別に嫌じゃないんですけど…


深澤さんってフレンドリーなんですね」




『まあ、仕事柄そうなんのよ』




「はあ…」






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作者名:わんわん | 作成日時:2020年4月3日 15時

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