【H×H】 Love actually is all around 1 (ページ6)

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5. 浮遊感ページ6

果物を全部平らげると、睡魔が襲ってきた。

普段なら耐えられるが、さっきのことで精神面が限界を迎えている。

いつのまにか、ゴミの山が視界から消えていて道がある。

その脇に車が止まっていた。

だめもとで、ドアに手をかけると、ガチャっと開いた。

ゆっくり車に乗り込み、鍵を閉める。

重い瞼がとじ、私の意識はそこで途絶えた。

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『んっ･･･』

先ほどとは違い、ゴツゴツとした感触が身体に触れている。

それに、浮遊感を感じる。

｢フェイタンとフィンクスお帰り･･･ってその子はどうしたの？｣

｢知らないよ、車の後ろに気づいたらいた｣

どこからか、声が聞こえてきた。

｢フィンも、そんなやついい加減下ろせ｣

｢いいことしたら、その分自分に返ってくるんだってよ

それに、ここでじゃ可哀相だろ｣

途端、頬をつけていた物が振動する。

顔を上げると、ライトを持つ金髪の頭が視界に入る。

｢･･･っ！フィン、そいつ起きたよ｣

｢え、ああ、ほんとだ｣

ほらよ、と金髪のいかつい男が私を地面にゆっくりと下ろした。

さっきまで感じていた浮遊感はこいつの背中に乗っていたからか。

｢礼も言えないのか、この餓鬼は｣

｢フェイタン、まだ状況が把握できてないんだよ。大丈夫？｣

これまた金髪の好青年が優しく声をかけてきた。

『･･･ここはどこ？』

｢は？しかり言え。聞こえないよ｣

さっきからこの黒くて小さいやつはなんなんだ。

『ここはどこ！』

いきなりの大きい声にびっくりしたのか、

三人とも目が点になった。

｢おいおい、さっきからうるせーぞ｣

その声に反応し、後ろを振り返ると、

毛皮をまとった、大男が奥から出てきた。

金髪の好青年がやれやれといった感じで、手を腰に当てた。

｢おお、お前等･･･と？その小さいやつは？｣

｢ウボォー、帰ってたのか。お疲れ様｣

｢おう！こいつは新人か？｣

頭に手をのせられてもこの男からは、不思議と嫌な感じはしなかった。

｢それが、俺にもよくわからないんだよね｣

｢今日団長もいるし、ちょうどいいじゃねえか。俺、先に行って伝えとくわ｣

大男は、ずんずんと部屋の奥に消えていった。

｢はぁ、ウボォーを待たせるわけにはいかないし･･･とりあえず行こ？｣

｢新入りなんかいらないよ｣

状況がいまいち掴めない私は、男の人の後をついて行った。