【H×H】 Love actually is all around 1 (ページ16)

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15. 写真立てページ16

私はドアを開けては閉めを繰り返し、彼の名前を呼んでいた。

『フェイタン？』

不思議なことに、どの部屋からも返事が返ってこない。

奥の部屋まで足を運び、開けて見ると、

ガチャガチャ

押しても引いても開かない。

さっきより強くドアノブを回しても、開く気配は感じられなかった。

諦めてドアノブから手を離し歩き始めると、

古びたドアが開くような音が聞こえ

振り返ると開かなかったドアが開いていた。

恐怖より、好奇心が勝り部屋に入ると薄暗い部屋だった。

ぬいぐるみや時計が沢山あり、

一つだけぽつんと立っている写真立てがあった。

それに手を伸ばすと、誰かに手を掴まれ、顔を上げるとヒソカが立っていた。

｢それは、見ないで欲しいな｣

いつもより口調が重く、恐怖を感じた。

『あ、ごめん･･･』

｢いいよ◆｣

ヒソカはそう言いながら、写真を下に伏せた。

｢どうしてここに？｣

『フェイタン探してて、この部屋が最後だったの』

｢確か、今日はみんな午後から仕事だと思うよ♠｣

『ヒソカは？』

｢ボクはいかない◆｣

『ふぅん』

私が部屋の中を見渡すと

｢お茶でも淹れてくるよ｣

そう言って部屋を出ていった。

ドアを開け、ヒソカがいなくなったのを確認してから

私は写真立てを裏返した。

そこには、幼くて可愛らしい少女がいた。

誰だろう･･･

そんなことを考えていて、私はドアが開く音が聞こえなかった。

　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
｢見ないで欲しいって言ったのになぁ･･･｣

その声に冷や汗をかき、怒られることを覚悟しながら

後ろを振り返ると怒っている顔ではなく、どこか哀しそうな顔をしていた。

『･･･ごめ、私』

｢いいよ｣

その代わり、と言ってヒソカの顔が近づいてきたと思ったら、

頬に柔らかいものが触れる。

｢ふふ◆｣

ニコッと笑うヒソカだけど、その顔にはやっぱり哀しそうに私は見えた。

｢さ、お茶でも飲もう｣

返事をしないで立っていると、

窓の外の空が妖しく光り始めた。
　
そう思った矢先、ものすごい落雷が聞こえた。