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14. ネギ ページ15

「・・・」

「フェイタン、そうじゃなくて、こう」

「ふん、持ちにくいね。これ」

「私が麺の準備するから、フェイタンネギ切って」

その言葉に頷き、ネギをまな板の上に乗せた。

トンと音が聞こえ、包丁を上に上げるとネギと・・・木の板」

「フェイタンもっと優しく。まな板まで切っちゃダメよ」

「もういやね。飽きた」

「もう少しよ。ほら、この上にネギ切って」

そう言って出された鍋には白いひも状のものがたくさん入っていた。

たしか、うどんて言う食べ物ね。

空中でネギを持ちながら切ると、太く豪快なネギがうどんの上に落ちた。

まぁ、味は変わらないね。

「ありがとう、パク」

鍋が乗ったプレートを持ち、パクにお礼を言うと、

「また、教えてあげるわよ」

そう返されたけど、たぶん行かない。

部屋に入ると、ベットにAの姿がなかった。

鍋を机の上に起き、見回しても見当たらない。

「手間かかるやつね」

そう言って、部屋を出た。

「あいつ?ああ、Aのことか。見てねぇな」

「見てないよ」

みんながみんな口を揃えてそう言う。

諦めて部屋に戻ると、いた。

「何立てるか」

Aの肩がビクッと動き、振り向いた。

『あ、フェイタン・・・、マチから聞いたんだけど、

服の上に、私吐いちゃったんだね、その・・・』

それから先のことは大体察しがつく。

「もう、いいよ。過ぎたことは仕方ないね」

Aを見ると微笑んできて、

自分の顔が緩んでることに気づき、

「早く食えっ!片付けれないよ」

マスクを鼻まで引き上げ、尖った言い方でそう言った。

『うん』

と返事をしてうどんを口に運ぶAを見ていると

『おいしい』

Aの口から言葉が溢れた。

「・・・そか」

『でも、このネギの切り方乱暴だよね。

パクもっと綺麗に切るかと思ってた』

私がお前のために苦労しながら用意したものを

笑いながら言うこいつに怒りを感じつつ、

「お前、やぱ嫌な奴ね」

腹の底から出た声はいつもより低く、響いたように聞こえた。

部屋から出て、手の指に貼ってある絆創膏の数を数えると、

無性に虚しく感じた。
 

15. 写真立て→←13. 飯


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もも水(プロフ) - luka♪feitan,kuroroさん» よかったです! 読んだらまたご連絡しますね♪ (2014年8月14日 14時) (レス) id: dab8882af7 (このIDを非表示/違反報告)
luka♪feitan,kuroro(プロフ) - もも水さん» もちろんです! (2014年8月14日 14時) (レス) id: 01ca4994e3 (このIDを非表示/違反報告)
もも水(プロフ) - luka♪feitan,kuroroさん» 復讐物…大好きです…。今度読んだらお話ししてくれますか?♪ (2014年8月13日 15時) (レス) id: dab8882af7 (このIDを非表示/違反報告)
luka♪feitan,kuroro(プロフ) - もも水さん» おおまかに言うと、復讐物、ですね。 (2014年8月13日 15時) (レス) id: b61734b73a (このIDを非表示/違反報告)
もも水(プロフ) - luka♪feitan,kuroroさん» あります!映画化もして漫画で読みたいなーって思ってたんですけど、お金がなくて…汗 どういった話なんですか?^^ (2014年8月13日 11時) (レス) id: dab8882af7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも水. | 作成日時:2013年8月27日 2時

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