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12. 過ぎたこと ページ13

『フェイタンっていつもどこにいる?』

「私は知らない」

「フェイタンならAが来る前にここに来て出てったわよ。

部屋に戻ったんじゃないかしら?」

パクの言葉を最後まで聞かないで、

私はきた道を全速力で走り、ドアをあけた。

部屋には誰もいなく、先程何も置いてなかった机にはまだ湯気が立っている

白くて細長いやつが何本も入った鍋が置いてあった。

『いい匂い・・・』

少し乱暴に切ってあるネギは豪快に顔を出していた。

そこにあったスプーンを手に取り、

透き通った汁をすくい、口に運んだ。

おいしい

素直にそう思えた。

感じたことのない味だし、それはとても温かい。

今まで誰かに食料を用意してもらっても、

温かいとは程遠いぐらいの冷たさを持っていた。

あんなことしたのに、フェイタンがパクに頼んでくれたのかな。

そう思うと、顔が綻んだ。

「何立てるか」

不意の声に肩がビクッとなり、後ろを向くと、

いつもどおりの服を着たフェイタンが立っていた。

『あ、フェイタン・・・、マチから聞いたんだけど、

服の上に、私吐いちゃったんだね、その・・・』

ごめんの一言が喉につまり、なかなか出てこない。

いや、それともいい慣れてないからなのか。

それを察したのか、

「もう、いいよ。過ぎたことは仕方ないね」

マスクで隠れてるから顔は見えないけど、たぶん、今は笑ってる。

つられて、微笑むと、ハッとした感じで眉間に深く皺が入った。

「早く食えっ!片付けれないよ」

マスクを鼻まで引き上げ、尖った言い方でそう言った。

返事をし、箸で白いひも状のものを持ち上げ口に入れると、

滑らかに口の中に入った。

口を動かすと、思ってたより柔らかくて、簡単に切れた。

『おいしい』

「・・・そか」

『でも、このネギの切り方乱暴だよね。

パクもっと綺麗に切るかと思ってた』

冗談交じりにそう言うと、フェイタンから返事が返ってこなかった。

『フェイタン?』

「お前、やぱ嫌な奴ね」

そういって、フェイタンが出ていったドアを一回みて、

不思議に思いながらも再び、鍋に手を動かした。


 
 

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もも水(プロフ) - luka♪feitan,kuroroさん» よかったです! 読んだらまたご連絡しますね♪ (2014年8月14日 14時) (レス) id: dab8882af7 (このIDを非表示/違反報告)
luka♪feitan,kuroro(プロフ) - もも水さん» もちろんです! (2014年8月14日 14時) (レス) id: 01ca4994e3 (このIDを非表示/違反報告)
もも水(プロフ) - luka♪feitan,kuroroさん» 復讐物…大好きです…。今度読んだらお話ししてくれますか?♪ (2014年8月13日 15時) (レス) id: dab8882af7 (このIDを非表示/違反報告)
luka♪feitan,kuroro(プロフ) - もも水さん» おおまかに言うと、復讐物、ですね。 (2014年8月13日 15時) (レス) id: b61734b73a (このIDを非表示/違反報告)
もも水(プロフ) - luka♪feitan,kuroroさん» あります!映画化もして漫画で読みたいなーって思ってたんですけど、お金がなくて…汗 どういった話なんですか?^^ (2014年8月13日 11時) (レス) id: dab8882af7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも水. | 作成日時:2013年8月27日 2時

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