【H×H】 Love actually is all around 1

11. 昨日の何したか ページ12

廊下を歩いていると、

どこからか匂ってくる香りが鼻腔をくすぐった。

反射的に、私のお腹から音が聞こえ、ふと思い出す。

そういえば、あれから果物しか食べてない。

その匂いを頼りに歩くと、次第にトントントンと

何かが何かと優しくぶつかり合っている音が聞こえ始めた。

それも聞いていて飽きないほどの一定のリズムだった。

その曲がり角を曲がると、パクが刃物を持ち食材を切っていたが、

私を見て手を止めた。

｢おはよう、A｣

『いい匂いがする』

｢ふふ、あと少しよ｣

ニコッと笑い、手の動きを再開しようと前を向いたパクだが、

｢気分はどう？｣

またもや、私の方に顔を向けた。

『んー、お腹すいた』

｢そう、なら平気ね｣

｢今日のごはん何･･･ってA起きてて大丈夫なの？｣

私の後ろから突如現れたマチは大きな口を開け欠伸した。

『大丈夫だよ』

｢そ、ならいいけど｣

横を通り過ぎ、マチはソファに腰掛けた。

今日はみんなに体調を聞かれる。

みんなって言っても二人だけど。

｢フェイタンにちゃんと謝ったー？｣

テレビのリモコンを操作しながら目をこするマチに

『なんで私がフェイタンに謝るの？』

逆に質問をすると、

マチの手からリモコンが落ちた。

｢え、なんでって･･･昨日何したか覚えてないの？｣

まただ。フェイタンもこう言って教えてくれなかった。

『私がフェイタンに何したの？』

ここまでくると、不安になる。

いっそ、なにをやったのかだけでも知りたい。
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　


｢あんた、昨日―――...｣
　
『･･･え？』
　

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