頑張りすぎな君。【すとぷり】

23.記憶 ページ25

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"なんで？ ねぇ、ひどいよ…"




"ほら、目を覚ましてよ"




"大ｯ嫌い！"







パチ




『…またこの夢、』




昨日のさとみ君の件で思いだしたらしい



大大大嫌いな記憶




思い出すとひどく不快になる。






時計を見ればまだ３時



散歩でもして落ち着こう。





ガチャリ



忍びになった気分で家を出る。




鋭いなーくんが気づかない訳ないだろう



でも、声をかけないでいてくれる。



なんで私がこうするか理解してくれてる。




『……』






彼は優しい。



それは誰もが知ってるだろう。




でも、彼の見えない優しさに気づく人は少ない




私はそれを知ってる、



そう思うと素直に嬉しい。





そう、私は嬉しいんだ。



嬉しい、



うん、嬉しい。









ポタ





『……だめ、か』




頬に涙がつたう。



紛らわそうとしたんだけどなぁ。





『……はぁ』




過去の記憶は私を蝕んでいく



それは分かってる




でも、それでも、



やっぱり忘れてはいけない



忘れたくない





これは私の大事な大事な記憶なんだ。

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