頑張りすぎな君。【すとぷり】

22.脳裏 ページ24

やばい。



これはやばい。






離れようと抵抗するもさとみ君はビクともしない。





そろそろ息が持たない。




苦しい、




なんで、





ねぇ、なんで、







…もう、だめだ。




頭が回らない。







チュ




さ「……ごめんね」


『…ﾊｧ、ﾊｧ さ、とみく…』





やっと、離れてくれた。



取り合えず息を整えよう。







さ「…苦しかったよね、ごめん」


『ﾊｧﾊｧ だ、だいじょうぶ…』




あー、もう…。



そんな辛そうな顔されたら、



大丈夫としか言えないよ…。





ほんと、その顔ずるいと思う。





『…ごめんね、今日はもう帰るね。』


さ「…あ、うん。」




気まずい空気が流れる



後、その顔ほんと止めて欲しい。



思い出しちゃうじゃん。





『…よし！じゃあね、また明日』


さ「ちょ、ちょっと待って。」





え…、引き留めるの？



折角明るく振る舞ったのに…。



ガシッと腕をつかんで離さないさとみ君





『ｯ…どーした？』


さ「明日、話したいことがある。」


さ「昼休み、屋上来てほしい…」


『あぁ。…うん、了解』




屋上、ね…。





『…それじゃあ、ばいばい』






彼の部屋を出て、



その後自分がどうやって帰ったかは



はっきりと覚えていない。








ただ、



私を見つめるさとみ君の瞳が




やけに綺麗だったことは




脳裏にこびりついたままだった。

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