頑張りすぎな君。【すとぷり】

13.仲直り ページ14

頑張れ私、走れ私！




一分でも早く謝りたい。



一秒でも早く会いたい。





そんな想いを胸に走った。






『ﾊｧﾊｧ 着いた…！』




教室にはなーくんは居らず


彼の鞄だけがぽつりと置いてあった









じゃあ、ここに居るはず…。


こことは生徒会室の事だ。




私は大きく深呼吸する



覚悟は出来ているつもり。





ﾄﾝﾄﾝ





『失礼します。…なーくん、おはよう』


「A、おはよう」





やっぱり此処に居た。



さぁ、伝えよう。


怖じ気付いてはいられない




『昨日はごめんなさい。私なーくんの優しさに甘えて、酷いこと言った。』




彼の姿が揺れる



『最低なのは分かってます。でも、仲直りしたい…』






彼を真っ直ぐ見れなくて



謝った後すぐ下を向いてしまった。




やっぱり覚悟なんて出来てなかったらしい。







「A、こっち向いて？」






その声に恐る恐る顔をあげる



そこには優しく微笑むなーくんがいた






「こちらこそごめん。強く言い過ぎた」



『なーくんは悪くないよ、全部私が…』



「はい！もうこの話お仕舞い！」




私の言葉を遮るように彼は言った。




『えぇ、そんな…』




悪戯っぽく笑うなーくん



大人っぽさが抜け無邪気な表情




…無邪気な表情と言えば、



そうだ、あのキーホルダー！




鞄からなるべく丁寧に取り出す。




『なーくん、これ良かったら…！』



「嬉しい！ありがとう！ って、え…」




最初は喜んでいたものの



中身を見て思いきり固まるなーくん






え、もしかして。




気に入らなかったとか！？

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