頑張りすぎな君。【すとぷり】

10.優しさ ページ11

次の日の朝、



腫れた瞼を開けリビングに向かうも



なーくんはもういなかった。




『先、行っちゃったよね…』



自分が怒らせたんだから当然のことだ。



深い溜め息をつき、


私はソファーと一体化する




怖いくらいに静かなリビングに


また一つ私の溜め息が零れた。




ふと、テーブルを見ると




美味しそうな和食と



"良かったら食べて下さい"



と、なーくんの手書きメモが置いてあった。




全然気付かなかった…。



自分のことばっかで



周りなんて見てなかったんだ。




綺麗とは言いがたい字だが、



書き直した跡が沢山あるメモ



頑張って書いてくれたのがわかる。





どこまで彼は優しいのだろう。



私には計り知れない程の彼の優しさ。





そんな彼の優しさに私は甘えた。



どんなに酷いことを言っても



許してくれると無意識に思っていた




『なーくんのおせっかい！！』




だからあんなことを言った。




私は最低なやつだ。



彼の隣に並ぶ資格なんてない。









でも、



今からでも仲直りくらいは出来るはずだ。







私はもう一回だけ君の優しさに甘えます。




ごめんね、なーくん。

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