51話 ページ7
『お父さん!』
「長門さんの娘さん?」
長「はい。」
どうしよう。顔、青白い。手、冷たい。
お願い。起きて。お父さん…
長「…長門さん、お父さんきっと大丈夫よ。」
『大丈夫なんて気安くいわないで!』
あの時だって、皆大丈夫って言ってたのに、お母さんは死んじゃったんだ。
長「えっと、私達外にいるわね。」
お父さん、お願い。目を覚まして。
お母さん、お願い。こっちに来たらダメだって、Aを一人にしちゃダメだって言って。
神様、お願いします。お父さんを助けて。
たった家族の一人なの。
私を一人にしないで。
東「A!」
『っ!まーくん!』
ギュッ。ドサッ。
東「A…」
『どうしよう。お父さんまでいなくなったら、私、一人になっちゃう。一人になっちゃうよ!』
東「…俺が、俺がいる。一生そばにいる。Aを一人になんかさせない。」
原「長門−!」
長「原田先生!」
『のぶちゃん…皆も。』
田「さっき先生に聞いたんだけど、お父さん、働きすぎで倒れたらしい。明日には目を覚ますそうだ。」
『本当!?本当に!?』
原「ホントのホント。」
若「良かったね。Aちゃん。」
『良かった。良かったよ…』
原「長門。あんたは一人じゃない。私も、川崎も、若林も、東条も。クラスの奴らだっている。もっと頼って。いつでも他人を優先しちゃダメよ。わがままだって言いなさい。ね?」
『のぶちゃん…ありがとう。』
田「僕もいるんですけど!」
長「私だっていますよ!」
『あっ。えと、うん。ありがとう。』
原「ほら、今日はもう帰りな。ちゃんとご飯食べて、早く寝ること。お手入れも忘れないで。明日起きたとき、Aが元気じゃなかったら、お父さん心配するでしょ。」
『そうだね。皆色々ありがとう。じゃあね。』
田「じゃあな。長門。」
長「またね。」
若「またね、Aちゃん。」
結「帰ろうか。A。」
『うん。』
私にはお母さんがいない。だけど、優しいお父さんがいて、大事なことを教えてくれる先生もいて、楽しい友達もいて、大好きな人だっている。
誰かそばにいる。そんな孤独なんて感じる必要ないんだ。
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KaNaNa(プロフ) - なんか、12歳。みたいですね! (2020年11月4日 21時) (レス) id: d8ec937809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なーこ | 作成日時:2020年8月21日 16時