満員電車 ページ4
『もぉ、龍我のせいで絶対に遅刻だよ!』
「ごめん、でもよく寝れたよ!」
結局あのまましばらく起きなかった龍我。
おかげで遅刻。
そして今、駅に向かって走っている。
「あぁぁ!電車行っちゃう!
急ご、A!!」
そう言ってわたしの手を掴んで走るスピードを速める龍我。
階段を急いで降りて、電車に駆け込む。
『いつもより混んでる……』
「いつもより遅かったからかな…?」
いまにも押し潰れそう。
ううう、満員電車は苦手だよ、、
…あれ?人が減った?
私に押しかかっていた重みが軽くなる。
顔を上げてみると、私に覆いかぶさって
人の波から守ってくれている龍我がいた。
『なに、してるの、、?』
「Aが嫌そうだったから」
いつも馬鹿なのに、でもちゃんと
私の気持ちとか考えてることとか分かってくれる。
『でも龍我が、』
「いいのいいの、おれ男だよ?
Aくらい余裕で守れるって。」
たまに見せる、男の一面も。
「その代わり、今日ジュース奢ってね(笑)」
クシャッと笑う笑顔も。
そんなに気にしてなんてなかったのにおかしいな。
考えると、なんだか胸がぎゅっとなる。
顔があつくなってきた。
「大丈夫?」と心配してくれるけど、
そんな龍我の顔も少し赤く染っている気がした。
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作者名:nomi | 作成日時:2019年5月31日 18時