【ky】金髪のキミに近づきたい！

気づいた気持ち ページ38

Kyside
ココ最近の俺は調子が悪かった。
Aと喋れてなかったからか
それとも避けられてたからか。
嫌われたのかとすっげー悩んだ。
おかげで全然身が入らなかった。
凡ミスはするわ、
体はぶつけまくるわ、
食欲は湧かないわで散々。
学校でも目は合うのにすぐ逸らされて。
……寂しかった。
毎日話してた友達に
急に距離置かれる気持ちってえぐいのな。




今日の試合も前半はボロボロ。
このままだとスタメン落ちしてしまう
そう思っていた時に
先輩に言われた方向を見るとAがいた。
俺が1番会いたくて、
見て欲しかった人。
これってさ、きっと"好き"なんだろな。
久々に喋ったのに憎まれ口。
相変わらず強引で。
いつものAなのが嬉しくて。
後半戦でぜってーゴール決めてやる。
今までの自分をリセットして
後半戦に挑んだ。






A「頑張れ！キヨくん！」


好きな人の声って、
人がどれだけいても関係ねーんだな。
鮮明にAの声だけが聞こえてきた。
俺はAの方を向いて
「見とけよ」と合図を出した。
一番カッコイイ姿見せてやる。
今の俺は冴えてる。



後半戦も終盤。
やっと回ってきたボール。
俺は冴えた頭を動かして、
どんどん邪魔を避けていった。
ゴールはもう目の前。


A「いけー！」


その声と共にボールを思い切り蹴る。
気持ちのいいネットを揺らす音。
その途端に湧き上がる会場。
チームメイト。




俺の最後の1点で引き分け試合となった。
勝てなかった悔しさもあるけど
今はAが応援してくれたことが嬉しい。


「…声届いた。ありがとう。」


今日の俺がいるのは、Aのおかげ。
シュートを決めれたのも、
今笑えてるのも、
好きだと気づけたのも。


A「へ？」


気づけばAを抱きしめてた。
耐えられなかった。
好きだと気づいた以上、
気持ちを伝えたくて。
感謝を伝えたくて。


「あのさ、夜景見たとこ今日行かね？」

A「…いいけど。今、どうなってんの？」


俺の腕の中で顔を赤らめて
もぞもぞしてるAが可愛い。
すっげー可愛い。
離したくない。
俺、知らない間に
こんなにも好きになってたんだな。
Aの強引さに
女の子らしさに
素直さに
全部に惹かれてた。
バカだな俺。
距離置かれるまで気づかねーなんて。




今度は俺から「好きだ」って伝えよう。

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