【ky】金髪のキミに近づきたい！

高嶺の花 ページ24

桜ちゃんとレトさんと一緒に教室に入ると
一気にザワついたのが分かった。


『なんで花井さんと尻軽女が一緒にいるの！？』

『絶対なんか仕組んだだろ』

『てか、Aさん雰囲気変わった？』

『メイクしてるよね？…あんなん勝てないじゃん』

『可愛くなってる…俺、狙おうかな』


私が雰囲気を変えたこと、
桜ちゃんと仲良くなったこと、
それだけでクラスはガヤガヤし出す。


「桜ちゃん効果すご…。」

花井「Aちゃんが可愛いからよ！
みんな魅力に気づき始めたの。」

フ「おはよ〜って、いいじゃん！
可愛いじゃん！似合ってるよ！」


入ってくるなりフジくんがべらぼうに褒めてくれる。
大袈裟すぎるリアクションに困る。


「ちょっと、フジくん声でかいわ。」

フ「だってねぇ！昨日の今日だよ！？
キヨのために頑張ったんだね〜。
って、花井さん！？」


さっきのレトさん並みにあたふたしている。
レトさんと一緒に事情を話すと、
心強い味方ができたと喜んでいた。





お昼ご飯。
桜ちゃんは食べる人がいるからと
足早に去っていった。
やはりいつものメンバー。


こ「お！なんか雰囲気違うじゃん。」

ヒ「ほんとだ〜。まつ毛長いね。」


至近距離でヒラくんにまつ毛を見られる。
流石にその近さは耐性がない。


キ「ちけーよ。」


キヨくんがスっとヒラくんを遠のける。
チラッと私を見て、すぐに逸らされる。
なんでだ。私頑張ったのに。
ダメダメ。毎日頑張らなきゃ。
1回で結果なんか出ない。


花井「おーい！Aちゃーん！」

「ん？」


上を見ると校舎から高嶺の花が手を振っている。
やはり周りはザワザワ。
なんならこーすけくんとヒラくんもザワザワ。
キヨくんは気にせず食べている。


「桜ちゃん！やっほー！」

花井「やっほー！今度私も混ぜてー！」

「いいよ！」

花井「また後でね！」


そう言って桜ちゃんは教室へ戻って行った。
高嶺の花、いい人。


こ「今の花井桜ちゃんじゃん！」

ヒ「友達なの！？」


2人の熱に圧倒される。
事情を説明すると、ニコニコしながら握手された。
なんだ2人とも。
桜ちゃん信者やったんか。


こ「キヨは桜ちゃんどーなの？」

キ「ん？別に興味無いけど。」

ヒ「え！そうなの？」

フ「あの高嶺の花だよ！？」

キ「興味無い。
Aちゃんの方が面白いし。」

レ「淡々と言って退けるの怖っ。」


高嶺の花になびかない男。
面白さで勝った私。
なんとも言えない、複雑な気持ちになった。

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