【ky】金髪のキミに近づきたい！

カワイクナッテンジャン ページ20

Kyside
フジから
「今すぐ俺ん家来てくれない？」と連絡が来た。
ちょうど部活から帰ってきた所で
「腹減ってんだけど」と返すと、
「俺ん家で食わせてやるから！」と即返信が。


「しゃーねーな。」


俺は徒歩5分以内にあるフジの家に向かった。





インターホンを鳴らすと、
フジのお姉さんが出てきた。


姉「キヨ久しぶり〜！
ちょっとやばいから早く入りな！」

「は、はぁ。お邪魔します。」


言われるがまま中に入ろうと靴を脱ぐ。
あれ？
ローファーが1足、スニーカーが1足。
明らかに靴の数が多いことに気づく。


「誰か来てんすか？」

姉「まぁまぁ！」


背中を押され、フジの部屋に入る。
何やらニヤニヤしているフジとレトさん。
そして緩く髪を巻いた女の子が後ろを向いている。


「え？何？」

フ「ほら、頑張って。」

レ「うじうじすんな。」


2人に言われてゆっくりその子がこっちを向く。
え？


「……Aちゃん？」

A「えっと…はい。」


いつもよりふわっとしてて、
服装も違う。
メイクも薄くしてるし、
唇なんかつやつや。


A「じょ、女子力上げに行くって言ってたやん？…それでさ、お披露目会的なね？
か、可愛く、みえる……？」


Aちゃんは普段何もしてなくても、
男子がちょっと噂するぐらいには顔が良くて。
俺は性格も含めて面白いなと思ってるけど、
他の男子からすると
『喋らなければ可愛い女子』なんだと。
俺も分かっていた。可愛いことぐらい。
それがさらに、
俺の好みドンピシャとなると、流石にドキッとする。


「カワイクナッテンジャン。」

A「ん？」

フ「カタコト笑」

レ「動揺してるやん笑」

姉「Aちゃん！良かったねぇ！！！」


お姉さんがAちゃんに抱き着きに行く。
Aちゃんは泣きそうな顔をしている。
動揺でカタコトになってしまった俺は、
恥ずかしさでうずくまるしかなく、
顔を見られないようにしゃがみこんでいた。


フ「キーヨーくーん？」

レ「何してんのしゃがんじゃって〜。」

「うるせっ。」


顔は見えないけど、
声からニヤニヤしてるのが分かる。
うわー。こいつらの前でやらかした。
するとフジのお母さんがご飯を持ってきてくれた。


A「ありがとうございます！」

レ「すみません。ありがとうございます。」

キ「すんません。あざっす。」


俺はまだドキドキしながら、
Aちゃんを直視しないように隣に座った。

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