弱さという強さを。

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▽

ソファに体を落とし込んですぐ、規則正しい呼吸が聞こえるようになった。

……寝れてはいんのか。

小山｢てごちゃん寝た？｣

増田｢ねた。｣

小山｢良かった｣

静かな楽屋。

寝れてて安心したのもつかの間、しんどそうな寝息に変わるから、思わず顔をのぞき込む。

手越｢……ﾊｧ…………ｯﾊｧ……｣

息詰めてたり、浅かったりを繰り返してる。

目は閉じたまま。

やがてその呼吸は唸り声に変わった。

手越｢……ｳﾞｩ…………ﾊｧ……ﾊｧ……｣

眉間にシワが寄り、手が強く握られたまま震えている。

増田｢……てごし、｣

小山｢え、てごちゃん……？｣

手越｢……ｯ……ｯ｣

増田｢ちょっと、てごし、｣

起こさないとやばい。

ソファの前にしゃがみこんで、背中を叩く。

手越｢……ﾔﾀﾞｯ……ﾊｧｯ……｣

増田｢てごし！｣

手越｢……ﾊｧ……!｣

固く閉じられた瞳がゆらゆらと開く。

増田｢てごし、大丈夫、｣

瞳の先に映ろうとするけど、ゆらゆらとしたそれは上手く俺を捉えてくれない。

手越｢やめてｯ!｣

増田｢っ！｣

小山｢！？｣

加藤｢っちょ、｣

過呼吸気味でパニックになったてごしの腕が顔にあたってしゃがんでいた俺は後ろに体勢を崩した。

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