雨の後には日が射し込む (ページ1)

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introduction ページ1

それは茹だるように暑い夏の日だった。

嬉嬉として病室にやってきたのは見たことの無い先生だった。先生は俺たちを見てこう言った。

「世界で活躍する有名人が来てくれたよ」

そう言って集められたのは院内学級の教室。初めて見るテレビカメラとその台数に名前も知らないその人は本当に有名人だと知った。

しばらくして入口から登場した彼はこう言った。

「Auf Regen folgt Sonnenschein」

ぽかんとする俺たちを見た彼は直ぐにこう言った。

「この言葉は、雨の後には日が射し込む。どんなに苦しいことがあってもその後には必ず素晴らしいことが待っているという意味です」

流暢な日本語でそう話した彼は俺たちを見て微笑んだ。

「君たちがとても苦しい、辛いと思う時が来るかもしれない。だけどそれを乗り越えた時必ずいいことが待ってるから。だからこの言葉を忘れないでいてくれると嬉しいな」

そう言って彼は風のように去っていった。

『あうふれーげんふぉるくとぞんねんしゃいん』

この言葉はあの日から俺たちの辛い時を乗り越える合言葉になった。