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..
シーツに包まって寝ているAを見て
自分の失態にやっと気づく
嗚呼 、俺は理性を保てなかったんだと 。
腕時計に目をやるともう日付が変わってから
数時間も経過していた 。
Aにはあの人がいるのに何をしているんだ …
そう思う反面 、久しぶりに彼女を抱いた事に
何処か喜んでいる自分がいて 。
「 何だよ 、俺 … 」
さっきまで何に腹を立てていたのかわからないけど
考えるのも面倒だと思えるほどだ 。
顔に掛かった乱れた髪を優しく掬うと
高校生の頃よりも遥かに綺麗になった寝顔が見えた 。
寂しさを紛らわせようとして
Aを抱いていたあの時には感じられなかった
このよくわからない感情は何だろうか 、
少しむず痒いけど
不思議と嫌ではない 。
「 …… そういえば 、声 … 」
高校生だったあの頃は
Aの声なんて絶対聞けなかったのに 。
今日はダイレクトに耳に届いて
ここにいる … そう思えた 。
ふと彼女の携帯が気になって覗くと
大量の不在着信とメッセージ
勿論あの人からの 。
「 …… 」
さっき見た時は通知で全然気づかなかったけど
待ち受け 、ツーショットじゃん 。
ちょっと見ただけなのに
一瞬にしてむかついてきた 。
「 …… 何だよ 、まじで 」
むかつくのと同時に苦しくなった 。
だって写真の中のAは満面の笑みで
黒い瞳はキラキラと輝いているから 。
この曇りもない笑顔が俺に向けられたのは ……
いつが最後か 。
そこで思い出した 、姉ちゃんがあの旦那と
付き合い始めたと報告してきた時を 。
「 うーわ …… やばい 」
この苦しさはあの時と似てる 、というか同じだ 。
そこまで気付いてしまえば
流石にこの感情の名前もわかるわけで 。
おいおい …… まじか 。
「 俺 、Aのこと好きなんだ …… 」
あの人に対して嫉妬をして今 、
自分勝手に彼女を抱いたという事実に頭が痛くなる 。
冷静に振り返れば 、夏祭りに誘ったのも
きっと小さな嫉妬からだったはずなんだ 。
なのに ……
「 好きって気付くの遅えよ …… 」
..
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めろんぱん(プロフ) - このお話が大好きで完結後も定期的に読みにきます（ ; ; ）みるるんさんの作品大好きなのでこれからも応援してます！ (2020年7月13日 4時) (
レス) id: 3589a32c79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるるん
| 作成日時：2019年6月16日 2時
