【碧】Yuto.N (ページ22)

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022. ページ22

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姉ちゃんの結婚式も終わり、
帰ろうとした俺の前にいたA 。

『今日来てくれてありがとう』

「 … そりゃ来るでしょ」

アルコールを何度か勧められて含んだからか
何となくぼーっとする。

『いや … だって雄登は … 』

「何？」

『お姉ちゃんを見て苦しくなるかな、って … 』

「苦しくなったって言ったら？」

『 …… 』

眉を下げて言葉を選びながら話してくれる彼女は
きっと俺が姉ちゃんのことを好きだったから
優しさでこう言ってくれてる訳なんだけど

「じゃあその苦しさ、どうしてくれるの？」

その優しさにいつも甘えようとする俺は
結局のところは弟以下だ。

『え … どうするって …… あっ』

戸惑ったものの何かを閃いたAはパーティー用の
小さめのバッグの中から何かを取り出して
俺に一歩近づいた。

『はい』

右手に握らせたのは

『 …… 私にはこれでしか励ませないから』

いちごみるくの飴だった。

『帰るならタクシー …… 』

手を上げてタクシーを呼ぼうとする彼女に
次会えるのはいつだろうか。

「この後、時間無い？」

『えーっと今日はまだ色々あって …… 』

それもそうか、

姉ちゃんの結婚式終わりだもんな。

「そっか」

『ごめんね … でも』

また小さめのバッグから
メモとペンを取り出して何かさらさらと書いて

『後日なら予定合わせられるよ』

よかったら連絡してと渡されたメモには
連絡先があって。

「また連絡する」

そう言ってタクシーに乗った俺は
良い気分で眠りについた。

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