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俺の気分は史上最悪だというのに
鮮やかな花々に彩られたイングリッシュガーデン 、
大きな窓からは自然光が差し込み 、
煌びやかで開放的な空間を創り出しているこの場所 。
溢れているおめでたい雰囲気に
呑み込まれることの無いであろう俺の感情 。
姉「 雄登!」
「 姉ちゃん 、」
姉「 ほら!隣おいで!」
「 ありがと 」
久しぶりに会った姉ちゃんの隣に座る 。
学生時代ずっと好きだったはずの姉ちゃんの結婚式でも
こんな感情は抱かなかったのに 。
そんなことを考えながら
眩しく射し込む自然光を眺めていると
隣の姉ちゃんと旦那が立ち上がる 。
つられて立ち上がると
神父が入場し 、開会を宣言した 。
華やかなBGMが流れて
拍手の渦が巻き起こると
バタンと後ろで扉が開く音がした 。
ああ 、新郎新婦の入場か ……
振り返るとタキシードを着こなしたあの人が
真っ直ぐと前を見ながら入場した 。
そして司会者の声と待っていたかのような歓声の中 、
涙目のお父さんと白いベールに包まれたAが入場
あまりに綺麗なAのウエディングドレス姿に
呆気にとられていると
お父さんの手からあの人の手に彼女が渡る瞬間 、
「 チッ …… 」
勝ち誇ったように口角を上げる
あの人と目が合う 。
思わず出た舌打ちは
拍手の渦で掻き消されたようだ 。
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めろんぱん(プロフ) - このお話が大好きで完結後も定期的に読みにきます( ; ; )みるるんさんの作品大好きなのでこれからも応援してます! (2020年7月13日 4時) (レス) id: 3589a32c79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるるん | 作成日時:2019年6月16日 2時