250 ページ1
それから30分ほど経っただろうか
俺達はついに、我が家へと帰ってきた
「グルッペン、荷物降ろすの手伝ってあげてね
お母さんこのまま買い物に行ってくるから」
gr「あぁ」
『ありがとうございました(ペコッ』
グルッペンとトントンに荷物を持ってもらい
俺は家の鍵を開けた
もう1ヶ月もここに帰って来なかったのか
ずっと寝ていたからか、実感が湧かないが
なんだかホッとした
tn「悪いなグルッペン
最後まで手伝ってもろて」
gr「構わん」
そんな普通の会話をしているはずなのに
2人の間に火花が散っているような
そんな感じがした
『…………なんだ2人とも…喧嘩か?』
病院にいたときはなんともなかった気がしたのに
どうしたのだろうか
tn「…いや、なんもないで?」
gr「そうだ、いつも通りだゾ」
そう言って普段の顔に戻る2人
『…?』
それならいいけど
リビングまで荷物を持ってきてもらい
とりあえず、ひと段落ついた
gr「じゃあ俺はもう帰るな」
『あぁ…ありがとう』
家を出たグルッペン
しかし、よく見ればスマホがテーブルに置きっぱなしだった
『…これ』
tn「あー…俺が持ってく」
トントンが俺の手からグルッペンのスマホを取り上げた
休んどいてな、と言われたので素直に甘えよう
久しぶりのソファ
別に病院のベッドが硬かったかと言われるとそういうわけではないが
やっぱり、落ち着く
〈家族だからね!〉
…………あまり覚えていない夢の断片
それでも、俺は……………………
皆で一緒に逝きたかったよ
父さんと…母さんと…優と
一緒に…………死ねたらって
思ってしまうよ
きっとそれはもう
いつまでも変わらない
死にたいと思っているわけじゃない
俺にはトントンや、グルッペンや
皆がいてくれるから
『……もうちょっと、先かな』
家族4人が揃うのは
…………俺が幸せになるから
ちゃんと、生きるから
『……………………大好きだよ』
返事の無い空間
それでも
少し暖かく感じたのは……気のせいだろう
500人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くろねこ????(プロフ) - 切ないなとかってに思いました。夢主設定名と弟さんの名前が同じだったことに奇跡を感じました() (2月6日 17時) (レス) @page20 id: 265c011d20 (このIDを非表示/違反報告)
NNS(プロフ) - 良い意味で、人が感じる不快感の大きさを上手に綴られた作品だと思いました。彼らが感じる葛藤や諦めに心が揺さぶられっぱなしで、気づいたら一気に読み終えてました。濃密で素敵な文章をありがとうございました! (2023年4月2日 5時) (レス) @page20 id: eac676a3cc (このIDを非表示/違反報告)
鈴木って佐藤より多くね? - えっっ、誰ともくっつかない、、、だとっ?とってもおもしろかったです!感動しましたねぇ、、、。 (2022年8月17日 16時) (レス) @page20 id: 5511dd41f6 (このIDを非表示/違反報告)
薔薇ネコ - 神作品です…!!!一気に読んでしまいました!感情の表し方が凄い上手で感動しっぱなしでした…。完結お疲れ様です!こんなに素敵な作品をありがとうございました!! (2022年1月18日 2時) (レス) @page20 id: c4e40ee7b3 (このIDを非表示/違反報告)
おつきみ(プロフ) - なむるさん» とても長い作品なのに、ここまで読んで下さってありがとうございました! (2021年2月10日 1時) (レス) id: a31619cde8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おつきみ | 作成日時:2019年3月31日 16時