【wrwrd!】年下の彼らの面倒を見る(男主) (ページ44)

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下駄箱についた

来賓なので、名簿に名前を書き込む

事務室の先生は全く変わっていなかった

「じゃあ、そこの来賓者カードを首に下げてからお入り下さいね～」

スリッパを履き、体育館へ足を進めた

しかし運が良いのか悪いのか

3年生の時の担任が前から歩いてきたではないか

『(やべ)』

1対1になると話の長い人だったことを思い出し、方向転換しようとしたが

「お…！弥生かぁ！？」

『どうも…お久しぶりですね』

捕まってしまった

結局それから30分は話していた

高校は楽しいか

家では苦労していないか

体調は悪くなっていないか

担任だったこともあり、母のお通夜に参列してくれていたことは覚えている

若い先生だし、生徒の親が亡くなるなんて初めてだったかもしれない

気掛かりだったのだろう

「そういえば、何か用事か？」

『あ、はい』

用なしには来ないだろ…

「富田林と一緒に住んでるんだって？」

『え』

「今、丁度俺のクラスに富田林がいるんだよ！

　担任としてな

　…色々あったみたいだな」

この人が担任だったのか

『あの…』

「富田林さ、最近はよく笑うようになったんだよ

　病院を退院してから

　なんでも、家に帰るのが楽しいんだってさ！

　お前が家で待っててくれるからって…言ってたよ

　それじゃあな～！」

『…はい、それじゃあ…』

心がむず痒くなった

どうしよう

久しぶりに

自然な笑みをこぼした