小さな診療所second９ (ページ7)

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浅「ココアだっけ。」

「え？」

浅「原が悩んだ時に飲むもの。だよね。はい。」

「あ、はい・・・・ありがとうございます。」

浅「俺のおごりね。はい、強制。俺はどうしようかな～？迷うな～」

連れていかれたのは、休憩スペース。
自販機のジュースの種類が多い。渡されたのは、ほっとココア。

甘い・・・・

浅「主任から聞いたよ。

研修って、大変だよね。１から覚えなおしだもんね。
俺も原と同じ３年目の時、健診センターに行ったんだ。
これがさ、毎日採血よ。正直、元気な患者さんに採血するの初めてで最初の３週間は失敗だらけ。
てか、まともにできたの１週間か。
患者さんに申し訳なかったし、そこの課長や主任にこっぴどく怒られて、あげくの果てに山村主任も呼ばれて、原と違って俺が１００％悪いのに、主任何って言ったと思う？

浅野は努力できる腕のいい看護師です。彼ならやってくれると僕は信じています。
患者さんから苦情が入ったら僕が謝ります。僕が責任取ります。だから、もう少し信じてもらえませんかって・・・・

その瞬間、何かがほどけた感じがした。
それから、採血失敗しなくなった。後、主任が練習相手になってくれたんだ。

魔法の言葉だったと思う。」

浅野さん・・・・

「でも、私は仕事遅いから・・・・
患者さんの感情に入りすぎなんだろうかって思うんです。
迷惑かけてるんでしょうか。」

浅「仕事が遅いんじゃなくて、丁寧な仕事ができてる。

迷惑じゃない。原がいたから救われた人、たくさんいるよ。
俺ね、主任に原を見習えって言われる。俺より寄り添える優しい看護師だよ。
技術もいい。これから、もっと磨いていこう。負けないからな。

原のそのやさしさ、親身さ。寄り添えるのはなくさないでほしい。
これからもその気持ちは絶対忘れないでほしい。」

救われた人か・・・・

それでいい。これからも私は私で行こう。

浅「まずは研修がんばっておいで。悩みはいつでも聞く。」

「はい！！
私は私です！！ありがとうございました。すっきりしました。」

もっと、患者さんに寄り添える看護師になります。