小さな診療所second９ (ページ41)

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入院して１カ月がたった。

ご飯も自由に食べれない。
痛い治療もあってつらい。だけど、早く家に帰りたいから頑張る。

川「インシュリンの時間だよ。
やってみる？」

「うん、がんばる。」

いつもは先生や看護師さんにやってもらってた、インシュリンの注射を自分でやることにした。

ポンプという方法もあるらしいけど、とりあえずは注射でやることにした。

「こう？」

川「うん。あってる。」

「打つよ・・・・

った・・・・」

川「よく頑張ったな！えらい。
ごはん持ってくるね。」

ご飯も制限があって、好きなものを食べれない。味が薄い。
もともとジュースは好きじゃないからいいけど、大好きなアップルパイを食べられないのは嫌。

でも頑張るしかない。

家に帰りたいから。

マンガを読んだり、歩いたり。
意外と暇。

母「A。」

お母さんがおみまいに来た。
兄ちゃんは部活中かな。

「お母さん！」

母「来たよ！！今、何してたの？」

「マンガ読んでた。」

母「そっか～そろそろ読み終わりそうだね。
あ、謙也からゲーム預かってきたよ。」

「あ！！やりたかった！！
兄ちゃんにありがとうって言っといて。後、来週試合頑張ってって言って。」

母「え？A行かないの？応援。」

「入院中じゃん。」

母「まだ先生から聞いてないんだ・・・・」

「なになに？？」

母「秘密♪」

お母さん気になるんだけど・・・・

金子「失礼します。こんにちは。
午後の回診だよ。
あれ、なんか気になってる。笑」

母「先生、まだ言ってなかったんですか？笑」

金子「お母さん、言ってないんですか？笑」

「なになに？」

金子「じゃあ、内緒にしておきましょう。笑」

母「そうですね。笑」

「だーかーら！！」

母「ごめん。笑
先生があさって、退院していいって。」

金子「ごめん。笑

安定したし、血糖値はかるのとインシュリンも自分で打てるようになったから家帰っていいよ。
週に１回小児科に来ることと月に１回糖尿科の篠田先生の診察を受けることが約束な。
明日、退院指導な。」

「やったー！！」

やっと家に帰れる。

家でも血糖値はかるのとインシュリン打つのは変わらない。
食事の制限もあるし低血糖の処置も自分でやらないといけないけど家に帰れるのはうれしかった。